哲学者の密室(下)
ダッソー邸「三重密室」事件の被害者はナチ戦犯か?容疑がかかる屋敷の主と三人のユダヤ人滞在客は、コフカ絶滅収容所の生存者とその子供と判明。それをもとに事件を追う矢吹駆とナディアは、三十年前のコフカの大量脱走劇の裏で起きた、もう一つの「三重密室」殺人の存在を掴んだ。さらに、二人の前には新たな死者が出現し…。三十年の刻を隔て現われた「三重密室」の謎?二つの密室殺人に底流するドイツ人哲学者・ハルバッハの「死の哲学」の影…。二十世紀の思想史を根底から覆す衝撃の事実とは!ミステリーを世界史と哲学の領域にまで踏み込ませた驚愕の本格傑作推理。
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ブローニュの森に住むユダヤ人資産家、フランソワ・ダッソーの屋敷で、滞在客が死体で発見された。現場の三階東塔広間に通ずる扉は固く閉ざされ、鍵はダッソーの書斎の金庫に!さらに一階と二階にはそれぞれ監視の目が…。なんと、奇怪な「三重の密室」が構成されていたのだ!さらに被害者にも隠された謎が…。唯一の手掛かりは、東塔内に残されたナチ親衛隊の折れた短剣のみ…!?現象学を用いて、数々の難事件を解決してきた日本人青年・矢吹駆と、パリ警視庁モガール警視の娘・ナディアが、「三重密室」のトリックと事件の真相解明に挑む!二千数百枚の本格密室推理超大作。 1996/07/25 発売