小説むすび | 太陽に囚われて

太陽に囚われて

太陽に囚われて

訪れた異国の地で、ジェーンは導かれるように、貴族アレックスが統治する豪奢な屋敷に滞在することになった。人間不信で誰も愛せない、寡黙で美しい男アレックスが、人目も憚らず、熱い視線を注ぐので、ジェーンは怖い。寂しげに笑う彼の表情の陰りに、好きでもないのに、心ばかりか、体まで捕らわれてしまいそうで…。やがて遅すぎた恋の自覚に、後悔することになろうとも知らずに、彼女は未だ、“悪意”の存在に気づいていないのだった。ふたりを苦々しげに見つめる、不吉な影をまとった女性の存在に。

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