背信
明治37年、貧しい農家に生まれたヨシノは、身体の弱い母の代わりに弟妹の面倒をみながら成長する。14歳のとき、札幌で製麻工場を経営する野田家に女中として奉公に出た。そこにはヨシノと同じ年齢のお嬢さん・廣子がいた。裕福でおおらかな野田家の雰囲気や、教養の差による価値観の違いに揺れながら成長するヨシノ。一方、廣子は何不自由なく、のびやかに青春を謳歌していた。廣子には、ひそかに想いを寄せる人が…。もし、あの時、手紙が届いていたら…。心の中に消えることのないかすかな痛みを抱きながら、二人の少女はそれぞれの人生を歩んでいく。
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依頼人の女マーリーンはもったいぶった態度で、夫の浮気調査を依頼した。彼女の夫トレントンは、電力を中心としたエネルギイを扱い莫大な収益を挙げている巨大企業キナージイ社の財務責任者だという。調査をはじめたスペンサーは奇妙なことに気づいた。依頼人や調査対象の夫の浮気相手にも何者かが張りついているのだ。いったいこれはどういうことか?まもなく、トレントンが会社の中で殺されているのが発見され、会社の警備部長が依頼人たちを見張らせていたことが明らかになる。だが、その警備部長も自殺に見せかけて殺されてしまう。やがてスペンサーは、ダリン・オゥマーラという一対一の関係にとらわれない自由な結婚生活を標榜するトーク・ショウの司会者が、今回の事件に関与しているらしいことを掴んだ。巨大エネルギイ企業とオゥマーラとのつながりとは?大企業の莫大な財務に関わる事件という得意ではない分野で、スペンサーは会計士の力を得て解明をはかるが…シリーズ第31巻。 2004/12/15 発売