追跡
〈かれ〉はかつて革命のために暗殺を敢行した〈英雄〉。しかし、今では庇護なき〈逃亡者〉…。鳴り渡る英雄交響曲の響きと濃密な宗教的雰囲気とを基調に、〈娼婦〉、〈偽札〉、〈老婆〉などの符牒が旋回する錯綜したテクスト空間の中で、次第に明かされる、魂の救済を希求する一人の男の血塗られた歴史とその末路。現代ラテンアメリカを代表する作家が描く傑作中篇。
関連小説
追跡追跡
〈私〉のライセンスが再交付された。とたんに父親捜しの依頼が舞い込んできた。恋人ケリーとのよりも戻ったし、幸先のよいスタートだった。ところが、〈私〉はとんでもない殺人事件に巻きこまれたらしい。浮浪者になって行方不明だった依頼人の父は殺され、妹も姿を消してしまった。もと砂金の町、オロビルを舞台に十五年前の殺人事件が暴きだされ、新たな殺人劇が…。好調、“名無しの探偵”シリーズ最新作。 1988/10/01 発売
追跡(上)追跡(上)
「あの男を見たのは一瞬でした。でも、絶対に忘れない」家族を仲間をナチに売った冷酷な殺人鬼を、今日街で見た!と必死に訴える老婦人。隣人の元刑事サイモンは半信半疑で捜査を始めるが…。ホロコーストの悪夢を思わせるような事件がマイアミで勃発。 1997/10/15 発売
追跡(下)追跡(下)
影のような男。一切の痕跡を残さず自分を知る者を消していく殺人鬼ーその名はシャドウマン。捜査当局の必死の追跡にもかかわらず男は姿を見せない。今も普通の市民としてマイアミで生きているのだ。やがて、真相を追うサイモンの周辺にも魔の手が忍び寄る。息づまる攻防。 1997/10/15 発売