出版社 : 国書刊行会
独逸が生んだ怪奇・幻想・恐怖・耽美・諧謔・綺想文学の、いまだ知られざる傑作怪作奇作18編を収録。“人形”“分身”“閉ざされた城にて”“悪魔の発明”“天国への階段”“妖人奇人館”不可思議奇妙な6つの匣が構成する、空前にして絶後の大アンソロジー。ほとんど全編が本邦初訳!!
アメリカSF界のレジェンド、カリスマSF作家ハーラン・エリスンはSF以外の小説も凄い!犯罪小説を中心に非SFジャンルの初期傑作を精選、日本オリジナル編集・全篇本邦初訳でおくる暴力とセックスと愛とジャズと狂気と孤独と快楽にあふれたエリスン・ワンダーランド!
その刹那、わたしの眼に映った息子の顔に浮かんでいた恍惚の表情は美しかったが、同時に年老いてもいた…少年と彼に取り憑いた正体不明の存在“あれ”との顛末を妖しく語り、読者の想像を超える衝撃的な結末を迎える代表作中篇「死者の饗宴」のほか、“サトレジ号でたぶん1898年だった”という謎の言葉と不気味な子供に翻弄される男を描く狂気に満ちた怪異談「ブレナーの息子」、ビルマの神秘な力を持つ宝石と護符をめぐる奇妙な物語「煙をあげる脚」など、知られざる英国怪奇文学の名手による異形のホラー・ストーリー、幽霊物語、超自然小説を厳選した全8篇。
鬼才高原英理30年の軌跡。鉱物、結晶、月、星、夢、夜、夏、少年少女、世界改変、書物…それぞれが全く異なる現代日本幻想文学の至高点。憧れの澁澤龍彦に霊界から会いに行く元ゴスロリ少女を描く書き下ろし中篇『ガール・ミーツ・シブサワ』ほか、『青色夢硝子』『ブルトンの遺言』『林檎料理』等全11篇。
ー太陽が消えてしまうという忌まわしい予言に恐れおののく村人たち。第二次世界大戦前夜のヨーロッパの不穏な空気を漂わせる表題作『もし太陽が戻らなければ』(本邦初訳)のほか、長編『フランス・サヴォワの若者』(本邦初訳)と短編6編を収録。
プーやその仲間たちの無邪気で安穏とした世界とあまりに対照的な影と真実。それを知ることで、プーやクリストファー・ロビンの魔法の森の安らぎと輝きは増し、いっそう愛おしくなる。人間の幸福の真実を映し出す名著、待望の翻訳!
英国怪談の第一人者が半世紀に近い歳月を掛けて選び抜いた、イギリス怪奇幻想恐怖小説の決定版精華集。26人におよぶ作家の作品32編を一堂に集める。M・P・シール『薔薇の大司教』、マッケン『N』、ウェイクフィールド『紅い別荘』等の訳し下しや、フィオナ・マクラウド『牧人』等の単行本未収録作も多数収録。既訳の作品も全面的に改訂、磨き上げられた愛蔵版。
ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても、自身の生活や夫婦間問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない(そして小説は延々と1章25ページが繰り返される!)。ある日、書きかけの原稿が原因でエドは思いもよらないトラブルに巻き込まれることになる…コメディ・ミステリの巨匠ウェストレイクによる、仕掛けに満ちた半自伝的&爆笑のメタ奇想小説がついに邦訳!(1970年作)
開戦間近の昭和16年9月に刊行された近藤いね子訳の『KOKORO』。渡部昇一氏が絶賛した名訳が、新装版としてよみがえりました。英語圏の方々はもとより、日本で英文学や国文学を学ぶ方々等、英語訳での夏目漱石の世界に興味を持たれる方におすすめしたい一冊。
森に現れた少年は射撃の腕をかわれてパルチザン部隊と行動をともにする。やがて、遭遇した敵の兵士に対して少年の銃が狙いを定めたのは…緊張感漂う表題作をはじめ、カルヴィーノ自身のパルチザン体験を元に描いたレジスタンスの物語、少年期をすごした故郷の風景を反映した農民や子供たちの生活スケッチ、戦後の都会を舞台にしたコミカルなピカレスクロマン、軽妙な語り口の風刺的寓話など全23篇を収録。現代イタリア文学を代表する“文学の魔術師”が、その若き日々にあふれでる創作意欲を自由かつ繊細に結晶化した、瑞々しい傑作揃いの初期短篇コレクション。
地下墳墓のミイラに前世の無限連鎖を見出す「木乃伊」。応仁の乱の乱世に材をとった歴史小説「雪の宿り」。妖術により不老不死となった芸妓の綺譚「喜寿童女」。巧緻な文体で純なる魂の美をえがくキリシタン物「きりしとほろ上人伝」。怪談会を舞台にした「百物語」。他全63編。
ロンドンからニューヨークへやってきたイヴリンは、汚穢に満ちた街でともに暮らしたレイラを捨てクルマで砂漠へと向かう。みずからの心象風景にふさわしい世界に魅了されるイヴリンだったが、武装した何者かによって女だけの地下世界ベウラへと連行される。そこベウラでイヴリンは女性のイヴとなるー英国マジック・リアリズムの旗手による、新たな預言の書ともいうべき傑作、ついに邦訳!
死後に同一人物であることが明かされた二人の作家、フィオナ・マクラウドとウィリアム・シャープ。蘇生するケルトの息吹、悲哀と慈愛のロマンス、哲学的な思索の旅…神秘のヴェールに包まれた伝説の作家の知られざる名作幻想小説20篇。
20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、「ユリシーズ」と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される、クロウリーの代表的著作である。
アーサー王伝説を踏まえたファンタジー「幻影の盾」。SPレコードにまつわる怪異をえがいた「サラサーテの盤」。妖しい幽霊屋敷を舞台にした都市幻想小説「白血球」。超現実主義的手法で夢の世界を克明に記述した「夢の中での日常」。他全48編。