1988年2月発売
高校に入学したばかりの皐にとって、唯一の友は異性の蒼だった。元来人付き合いの苦手な皐だが、植物を愛する蒼とは入試以来ずっと付き合っている。級友から作家の家住湊のサインを頼まれた皐は、従姉の亮子に連れられて初めて湊の家を訪れた時、部屋いっぱいに大きな水槽が置かれている光景に驚いた。湊は亮子の恋人だったが、皐は湊と話していると、蒼にはない心のやすらぎを感じた。
清水先輩に会えないあたし(南子)は、なんとなく失恋気分。ま、あたしに惚れている遠藤クンがいるからいいか。今度の事件は、見知らぬ男のコから星型ペンダントをもらったのが発端だった。続いて公園での焼身自殺を目撃。遺書には、星のマークが無数に描かれているだけ。星のマーク、何か事件に関係ありそう、と思っていたとき、ペンダントをくれたコが電車に飛び込み自殺。どうなってるの?
「マラソンが好きなら、コーチしてやるよ」「ほんと?それなら、陸上部に入る!」-そんな出会いから、3度目の春。佐知子は緑が丘高陸上部のマネージャー、小沢は400mの選手になっていた。そして、夏のインターハイには出場できたものの、思わぬ誤解からケンカ別れ。でも佐知子は“ぼくたちの最後のレース”をするためにフルマラソンに挑戦することにした。
重の家に、国麿と名乗る男が居候し始めた。この男、霊と対話する事ができて、現世に心残りのある霊が助けを求めている、という。半信半疑だったけど、気の毒な霊のために、重、我生、花紅子、毬林の4人で、協力に乗り出した。BUT、事態は思わぬ方向へ…。悪霊にねらわれる我生。そして我生をめぐる花紅子と重(男なのにィ)の何とも不思議な三角関係大戦争にも終止符の打たれる時が!
乳癌にかかりながら、一切の医療をこばんで、叔母は逝った。その死を受容する姿を見つめるうち、姪の心にあった叔母へのわだかまりが消えてゆく。そして、精神の浄化をおぼえる彼女におとずれたものは。1本の青桐が繁る北陸の旧家での、滅びてゆく肉体と蘇る心の交叉を描く魂のドラマ。芥川賞受賞作品。
女性に弱く、血を見るのが大嫌いな片山刑事と妹晴美、晴美に恋する猫嫌いの石津、そしてホームズが、初の海外旅行へ。行先はロマンチック街道。優雅な旅といいたいところだが、目的の殺人事件解決のためだった。日本有数の資産家、永江一族の次男、英哉は、三年前に若妻、智美を新婚旅行中に殺害された。ドイツの古城で、中世の伝説どおりに、処刑具「鉄の処女」で惨殺されたのだ。だが、真相解明のため、古城に招いた一族全員に殺害の動機が…。三毛猫シリーズいよいよ快調!