1996年3月25日発売
月光殺人事件月光殺人事件
クレア・マロイはよく事件に巻きこまれ、警察もいやがるほど見事に解決してしまう書店の店主。今度も娘のキャロンとともに亡夫の故郷ルイジアナへ、マロイ家の女当主である姑の八十歳の誕生祝いに赴くが、遺言書の発表を前に車椅子ごと沼にはまって当主は死んでしまう。警察は事故死とみるが、クレアは遺言書にからまる殺人事件だとして乗り出した。
母の四万十川(第1部)母の四万十川(第1部)
「昭和」をひたむきに生きぬいた女の半生を、村と河の移りかわりとともに描く、名作『四万十川』の作者による、感動の大作。満州分村移民の隠された悲劇、その傷痕をのりこえて希望へ歩み出す女たち男たちの戦後。
ユリシーズのダブリンユリシーズのダブリン
『フィネガンズ・ウェイク』から『ユリシーズ』へ、全十八章の新訳抜粋(原文対訳)と豊富なダブリンの写真で構成するジョイス-ダブリン-ユリシリーズをヴィジュアルに読み解く本。
奇妙な季節奇妙な季節
定職にもつかず、母親や祖母と、もたれ合うようにふらふら暮らしていた僕が、ニナとの結婚を期にデパートに就職した。しかし、その生活は相変わらず怠惰で、いいかげんで、宣伝部に籍を置いてはいるものの、上司に頼まれたスパイ行為が唯一の仕事といった毎日だった。そこに、社長交替の話が…新社長は出世街道をつき進んで来たやり手の大物。その彼に思いがけず抜擢されて、僕の生活は一変した。独身で謎めいた新社長ベルトラン、彼につき従う二人の部下。その仲間に入ることになった喜び、うって変わった宣伝部の活気、僕はただ、酔っていた。すべての時間は社長ベルトランのためにあった。社長が生活の中心となったのだ。彼のペースにすっかり巻き込まれた僕は、ニナも家族も、友人も…何もかもを失うという悲劇が待ち受けていることを、まだ知らなかった。ルノードー賞受賞作。
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