1997年10月10日発売
風光明媚な歴史の町バースに住むルンギ一家は、親子三代にわたって探偵事務所を営む“探偵家族”。戦後、裸一貫から事務所をおこした親爺さん、優しいママ、放蕩息子の長男サルヴァトーレ、妻のジーナと事務所を切り回す次男アンジェロ、経理担当の長女ロゼッタ、そしてやんちゃ盛りの二人の孫だって立派なメンバーだ。そんな彼らのもとへ、ある日近所の主婦がやってきて台所の洗剤がいつもの場所とずれているので調べてくれという。雲をつかむような依頼は、やがて思いもよらぬ展開を…。
浪人生の和は東京・神楽坂にある老舗の芸者置屋の一人息子。ひょんなことから、和は無子の源氏名でお座敷に出ることになる。着物を着せられ、化粧をすると美しい芸妓に大変身!「オレって芸者!?」イヤイヤ出ていた和だが、新鮮味があるといって大人気。そんなとき、歌舞伎界の若手人気役者の京之のお座敷から声が掛かる…。
19世紀イギリスが誇る女流作家ジェーン・オースティン待望の新訳。南イングランドを舞台に、普通の女の子がヒロインになるまでー風刺性、喜劇性をあわせもつ、オースティンならではの恋愛世界が広がる。キャサリン・モーランドという十七歳の若い女性を主人公に、前半はファッショナブルな温泉保養地バースを舞台に、後半はグロースターシャーの裕福な地主の家ノーサンガー・アベイに場所を移して、繰り広げられる。バースでは裕福な地主アレン夫妻や新興ブルジョアのソープ一家を中心に、社交場や遊歩道などを舞台に都市小説風の展開を見せ、ノーサンガーでは怪奇小説的要素を加えて、地方地主の古い屋敷を舞台に裕福な地主の生活ぶりを浮かびあがらせるしかけである。
“家族のぬくもりがいつでも感じ合えるような、離れていてもすぐここにいるような存在感がある”そういう親子、夫婦であれたらと願うサキが単身赴任の夫を思い、2人の息子たちと過ごす日々は…。