2000年12月31日発売
40代を迎えたわたしは、世界の果てにどれだけ近づいているのか?気が滅入りがちなわたしを動揺させる新たな出来事が、降ってわいた。同世代の友人で新聞記者のマリ・ライアスンが、テレビ・リポーターに転身したのだ。記者として長年闘ってきたマリも、金の力に屈してしまうのか?マリの転身を祝うためパーティに出席した帰り、わたしは道に倒れていた女性を危うく轢きそうになった。その女性は重傷を負って倒れており、まもなく病院で死亡した。やがてその女性がニコラという脱獄囚だと判明するが、その直後、解剖する予定だったニコラの遺体が、何者かに持ち去られるという事件が起きた。わたしはニコラがメイドをしていた大手警備会社社長の家を訪ね、彼女が罠にはめられた疑いを抱く。なおもニコラが投獄された真相を探るうち、様々な妨害の手が延び、ついにわたしは誘拐容疑の濡れ衣を着せられ、刑務所へと!シカゴの女性探偵V・I・ウォーショースキー、6年ぶりに登場。生涯でもっとも苛酷な日々のなか、プロの探偵としての誇りを賭けたV・Iがすべてを投げうって真実を追う。
依藤警部補は十一年前の死体なき殺人事件を追っていた。埼玉県大宮市郊外の五階建てのマンションで起こった事件である。五〇三号室の住人は当時二十三歳になる女性で大手モデル事務所に所属していた。毛足の長いベージュ色の絨毯が、おびただしい量の血で赤黒く染まっていたのだ。残された血液から被害者を断定したが、死体がないのである。その容疑者と目された男が台湾から戻って来たが…。生まれ変わりの謎に挑む超伝承ミステリー第二弾。
綿密な取材、緻密な構成、ユニークな人間観察、スリリングなストーリー展開、犯人を追いつめるプロファイリング…。警察小説の新たな地平を切り拓く問題作。ミステリー界に新風を吹き込む驚異の大型新人登場。
イスラエル建国の英雄を父にもつ、兄弟。多くのユダヤ人たちを救出した元ナチス将校を父にもつ娘。三人の男女が巻き込まれた、血塗られた惨劇。ニューヨーク、エルサレム、パリ、フィレンツェ、ウイーン、事件の真相を求めて世界中を駆け抜ける彼らの旅はまた、ホロコーストの時代に彼らの父たちが行った、ユダヤ人救出という英雄的行為の暗黒面を暴く旅でもあった。ジョン・ル・カレの深みと、グレアム・グリーンのスリラー性を兼ね備える、と絶賛された傑作ミステリー。