2010年4月26日発売
東京島東京島
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震えるー。東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。
明日この手を放しても明日この手を放しても
19歳で視力を失った、潔癖症で完璧主義な妹・凛子。女にモテるのにフラれてばかりの、無遠慮で口喧しい兄・真司。父親が謎の失踪をとげ、2人きりの生活が始まった。近くにいると相手に合わせることさえ不満でも、遠くにいけばいつの間にか無事を祈り、あの人のために変わりたいと願ってしまうー複雑で決して派手じゃない、だけど確かな愛しさを描いた、兄と妹の12年間の軌跡。
ボーダーボーダー
渋谷でのあの事件から3年。チームを解散し、別の道を歩み始めていたアキとカオル。ところがある日、カオルは級友の慎一郎が見に行ったイベントの話を聞いて愕然とする。それはファイトパーティーを模したもので、あろうことか主催者は“雅”の名を騙っていたのだ。自分たちの過去が暴かれることを恐れ、カオルはアキに接触するがー。
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