2014年7月7日発売
徳川家康は名君?それとも迷君??戦国時代、最高の結束力を誇ったといわれる「三河武士団」だが、家康も家臣も、胸の内にはいろんなことが渦巻いていた。石川数正、大久保忠隣、蜂屋半之丞、奥平九八郎(貞昌)、松平家忠、ウィリアム・アダムスといった有名無名の家臣たちを主人公に、組織に生きる男たちの“ホンネ”と“タテマエ”を描きながら、彼らの目を通すことで家康の意外な素顔を浮き彫りにしていく。
「エルトゥールル号の恩返しですよ」-イラン・イラク戦争の最中の昭和六十年、フセイン大統領が、四十八時間以後のイラン領空の航空機無差別攻撃を宣告。日本政府が救援機を出せない中、イランに取り残された二百人以上の日本人救出に動いた国があった…。そのトルコ政府の英断の裏に秘められた、明治二十三年の「エルトゥールル号遭難事件」とは。百年の時空を超えた日本とトルコの友情を描く感動の歴史長編。
負けたら即、廃部よ、廃部!私立ヒミコ女学園では、日本文化を研究する“和風研”と“SOJ”の二つの部が鎬を削っていた。部の存続をかけた歴史討論にSOJは「刺客」を送りこみ、和風研を潰しにかかるが、歴史知識ゼロの新入生、北浦つばさが和風研に現われー。利休切腹の真相、芭蕉の旅の目的、歌舞伎の創始者の正体…女子高生たちの熱きバトルから飛び出す歴史の“真説”とは?文庫書き下ろし。
地方局の新米アナウンサー・鴨川優は、テレビからラジオに異動となり、憂鬱な気分を抱えていた。妙に陽気なディレクターの蓮池陽一から、午前0時に始まる新番組の司会に抜擢されるが、その準備中のある夜、突然の豪雨で孤立した村に災害情報を流す大役を担うことに。さらには陽一のとんでもない秘密が発覚し…。ラジオ局で働く人々の奮闘を現役アナウンサーが描く、少し不思議で心温まる物語。文庫書き下ろし。
十津川警部は三上刑事部長の特命を受け、警視庁を退職した岡部道夫の事故死を捜査するため、亀井刑事と岡山に向かった。捜査を進めると、岡部が退職後も秘かに追っていた事件の真相がしたためられていた手帳の存在が判明した。その手帳から、警察幹部が関与したある事件の全容が浮かび上がってきた…。
多国籍グループと日本人との対立は急速に激化し、多国籍同士の抗争も始まった。多国籍が豊かさを求めてきたはずのこの国は、今、有り余るほどの情報や自由を手にしながらも、実は不自由さにからめ取られているのかもしれない。“革命”小説シリーズ第9弾。描き下ろし掌編「ゴッホの血」収録。
吉祥寺のコンビニでアルバイトをして暮らす“おれ”(バツイチ・息子あり)を訪ねて、市長選挙を控えた政治家の秘書がやってきた。強引に連れていかれた先で、政治家本人から「娘を捜してほしい」と依頼される。おれはその話に、どこか釈然としないものを感じながらも、報酬につられて引き受けた…。東京・吉祥寺を舞台に描く、書き下ろし探偵ミステリーシリーズの第2弾。
一九四四年九月。中国での大陸運営に行き詰まった日本軍は、傀儡政権維持のために潜水艦による金塊輸送計画を立てた。ニューギニアの孤島、マレンドック島の守備隊は、その作戦の囮役を命じられる。彼らは玉砕必至の作戦を受け入れるが、残された国民のために、“暁”と名付けた作戦を極秘浬に計画したー日本の未来に命をかけた男たちの熱い戦い!
最初の悲劇の32年前。ある夏の朝、中国地方の寒村、夜鳴村で黒い封筒が見つかった。そこには「王様」からの命令が書かれていた。命令に従わない者は「首吊りの罰」。最初は誰も本気にしなかったが、翌朝、命令に従わなかった2人の村人が首を吊って死んでいたー大人気サバイバルホラー最新作!すべての悲劇はここから始まった!
天明四年(1784)弥生二十四日未明、麹町の佐野善左衛門邸を見張る霧子は、屋敷内の不穏な気配に胸騒ぎを覚えていた。意を決し邸内に潜入した霧子は、佐野善左衛門が松平定信に借り受けた刀を携え登城することを耳にする。小梅村に舞い戻った霧子から報告を受けた坂崎磐音は、急遽、奏者番速水左近への書状を認め、霧子に託すが…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十六弾。
三国屋が扱う御用米を積んだ川船が上州倉賀野で転覆した。陰謀の匂いを嗅ぎ取った大旦那の徳右衛門は現地へ飛び、“江戸一の辣腕同心”八巻卯之吉の加勢を老中に要請する。金の力で再び隠密廻となり、旅先で遊興ができるとあって卯之吉は大喜び。剣呑な上州路へと勇躍、足を踏み出す。大好評シリーズ第十五弾!
藩主後見役に任じられた元藩主の樺島直篤が隠居所に篭ったまま動く様子を見せないため、定海藩は混迷の渦中にあった。筧忠兵衛は、いまだ失意の中にいる紗智に田宮伴内自刃を報せに行き、冷たく拒絶される。そんな中、謎の投げ文によって、南町奉行所臨時回り同心の岸井千蔵は一連の事件が天明の鬼六一家の企てであったことを掴むのだが。書き下ろし長編時代小説、怒涛の第十四弾。
旗本家を廃嫡され、生き物捜し屋を始めた椎名貫太郎は、逃げたカラスを追ううち手代殺しの濡れ衣を着せられてしまう。南町奉行所与力・宝妙寺捨六の名推理によって疑いが晴れたのも束の間、女房の千帆と倅の千吉が流行り病で倒れ、懐の寒さに途方に暮れる貫太郎。そんな折、馴染みの野良猫・茶々丸が小判を持ってきてくれた。だが、その金の出所には曰くがあり…。好評シリーズ第二弾。