リオ五輪女子体操ヘッドコーチ初の小説登場!「この作品は、私が体操コーチとして経験した事を基にフィクションとして書きました。倉本コーチが私で、神代茜は体操の寺本明日香さんです。」
終戦から4年、戦争の爪痕残る東京に生まれた冬華蕗子(とうが・ふきこ)は、何不自由ない環境に育ちながらも、社会や家庭への漠然とした息苦しさを感じていた。「この社会は本当に正しいのか」はっきりした目的を持てず進学した彼女が、ある日行き当たったのは白いペンキで「マル研」とドアに書かれた部屋だった。「探していたのはこの文字だったのか」と直感的にドアを押した先にいたのはー。ひたむきに力強く、彼女は不条理な世界を歩む。高度経済成長、ベトナム戦争、学生運動、バブル崩壊…混沌とした時代と一人の女性の軌跡を描いた、著者渾身の一大長編!