著者 : あおあそ
これは、もう一つの復讐譚。 暗愚の女王以降、百年間「神の力」の使い手に恵まれないジークフリート家。王家復興は、神の力の研究所ーー人体実験施設、エーテリアムに託された。 王家の子供は8歳になると研究所へ送られる。シグルズ王子もその運命に殉じ、3つ下の妹、ブリュンヒルドを同じ目に遭わせまいの一心で実験を耐え忍んだ。 シグルズ王に神の力が発現した、との吉報を受け、兄の帰りを心待ちにしていたブリュンヒルド。しかし王城へ帰還した彼に、かつての優しい面影はなくーー。 第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第四部開幕!
王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年ーー歴代女王の献身により、王国は繁栄を享受していた。 五代目女王の娘・クリムヒルトもまた王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎える。歴代女王と同じ、神の力の「蝕み」に倒れ苦しむ姉・ブリュンヒルドの想いも背負い、玉座の間に入るクリムヒルト。しかしそこには、女王になる者が知らされる、王国最大の闇が待ち受けていた。 「護りたい」想いは同じく、しかし目に映す未来は異なる、女王が、忠臣が、王子が、竜がーー紡ぐ歴史の狭間の物語。第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第三部開幕!
人々は彼女をこう呼んだ。時に蔑み、時に畏れながら、あれは「竜の姫」と。帝国軍の大砲が竜の胸を貫く、そのおよそ700年前ー邪竜に脅かされる小国ノーヴェルラントは、神竜と契約を結び、その庇護の下に繁栄していた。国で唯一、竜の言葉を解する「竜の巫女」の家に生まれた娘ブリュンヒルドは、母やその母と同じく神竜に仕えた。竜の神殿を掃き清め、その御言葉を聞き、そして感謝の貢物を捧げるー月に、七人。第28回電撃小説大賞“銀賞”受賞の本格ファンタジー、第二部堂々開幕!
竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑んだ彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。エデンの海岸に取り残され、偶然か必然かー生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し愛された。しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも、帝国に「奪還」した。『他人を憎んではならないよ』復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものかー。第28回電撃小説大賞“銀賞”受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!