著者 : あかざ
誘拐事件から二週間、退院した望を待っていたのは、絹が出て行ってしまった芹沢家だった。絹は自分を狙った事件で望がケガを負ったことに恐怖と責任を感じ、トリオンの宇宙船団へ帰る決意をしてしまったのだ。必死に絹の行方を捜す望だったが、一介の高校生に国家レベルの機密を突き止められるわけもない。一方、絹の警護を担当していた情報局の内部でも、草葉局次長の強引な手法を巡って火種がくすぶっていた。絹の担当を外され、軟禁状態に置かれた星子の許に現れたのは…。青春SFシリーズ、いよいよフィナーレへ。
異星種族トリオンの血を引く“地球系宇宙人”の美少女・絹が芹沢家にやってきて早半年。水害で倒壊してしまった芹沢家を出た望、時子、絹の三人は、新しい家が建つまでの間、賃貸マンションで不自由ながらにぎやかに暮らしていた。そんな時、同級生の穂高がついに望に告白することを決意し、望と絹の間に微妙な雰囲気が…。一方、トリオンからのVIPである絹の護衛に就く情報局の星子のもとに、ある情報がもたらされた。ロシアで反トリオン過激派によるテロが勃発、犯人グループの次の標的が、日本だというのだ!青春SFシリーズ、風雲急を告げる第3巻。
人類に接触してきた異星種族「トリオン」の宇宙船団から、友好のため芹沢家にやってきた、地球とトリオンのハーフの美少女・絹。彼女は芹沢家の長男・望と小さなトラブルをくり返しながらも、家族の一員として暮らし始めていた。だがいつまで経っても絹を“異星からのお客様”あつかいする近隣住民たちに、彼女の気分はちょっと複雑。一方、望を巡って絹にライバル心を燃やす同級生・穂高は、望との距離を一気に詰めるべく、計画を練っていた。そんなある日、掛橋市を記録的豪雨が襲う。宇宙船育ちの絹にとって、それは全く未知の“天災”なわけで…。
「人類を代表し、宇宙人と友好条約を締結した」-アメリカ大統領の突然の発表に、世界に激震が走った。彼ら三種族連合移民船団ートリオンの宇宙船は数十年前から地球人類の調査を行い、各国政府と接触をしていたというのだ。だが平凡な高校生・芹沢望にとって、それは「直接は関係ない大ニュース」のはずだった。トリオンと地球人の間に生まれた美少女・絹が芹沢家にやって来るまでは…。地球の常識を知らないうえ負けず嫌いの絹と、ことあるごとに衝突してしまう望。だが絹の心の内に触れるうちに…。大胆な設定と、細やかな心理描写で描く、青春SFシリーズ第1弾。