著者 : あかま日砂紀
傀儡奇談傀儡奇談
「あれ?もしかしてー琴平さん?」人気テーマパークに小一郎たちと遊びにきていた敏生は、人込みのなかで誰かに呼ばれ、振りかえって、目を丸くした。かつての事件で会った懐かしい顔ー当時は女子高生だった二人の女性の姿が、そこにあったからだ。その二人から持ちかけられた、ある相談事。「あるひとから預かってくれって頼まれたものがあるんです。でも、それが…」思わぬ事態が手繰り寄せられようとしていた。
雨衣奇談雨衣奇談
「母さ……やめ……」。振りほどこうともがく、まだ少年だった天本を、母は信じられないような力で押さえつけていた。「……消えて」。細い指が、ぎりぎりと天本の首に食いこむ。「消えてしまいなさい、おまえなど……! 」。過去の悪夢を見はじめた天本のもとに、ベトナムから届けられた父の手紙。いま、失われた記憶の扉が、ゆっくりと開きはじめるーー。 ありがとうーー奇跡を。闇を切り裂くネオ・オカルト・ノヴェル最新刊! 果たせなかった約束を案じつつ、事故で死んだ帰還兵。その願いをかなえるため、天本と敏生はベトナムへ! 「母さ……やめ……」。振りほどこうともがく、まだ少年だった天本を、母は信じられないような力で押さえつけていた。「……消えて」。細い指が、ぎりぎりと天本の首に食いこむ。「消えてしまいなさい、おまえなど……! 」。過去の悪夢を見はじめた天本のもとに、ベトナムから届けられた父の手紙。いま、失われた記憶の扉が、ゆっくりと開きはじめるーー。 一章 乾いた心に降る雨は 二章 ギリギリの日常 三章 迷いの羽根で 四章 時間の砦と心の柵と 五章 遠くまで見えるけれど 六章 空っぽの高い空 七章 柔らかな手のひらで あとがき
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