著者 : うみぼうず
二人の名探偵とその助手の俺・君塚君彦は《大災厄》による世界崩壊を食い止めることに成功した。 その後、次なる危機《調律者狩り》への対処を迫られることになるが、犯人候補として浮上したのは最も忘れがたい少女で……? 時を同じくして白銀探偵事務所を訪れたとある依頼人が、八年前に死んだはずの俺の《師匠》と再会したと言い始めーー 「さあ、助手。君が本物を名乗るなら、私の知らない君を見せて」 「……っ、俺は……俺は……!」 本物と偽物、真実と嘘、四つの密室。これは君塚君彦が何を願い、何者であるかを問う物語。 そしてその問いは等しく皆に投げかけられる。 二人の探偵に、孤高の女王に、夢を見られぬ機械人形に。
斎川唯は悩んでいた。 理想のアイドルになるには何かが足りない。 ライバルたちよりも努力をしてきた自信もある。 でも、なぜか満たされない。 そこで何か新しいことに挑戦しようと思い立つ。 これまで体験していないものといえば過去に行くことをやめてしまった学校生活くらいでーー。 「わたし、学校に行きます!」 周囲の心配の声をおさえて学校に通い出したものの、トップアイドルの登校は当然話題になる。 すると偽者が現れたり、学園祭のステージに出ることになったりと、早速ハプニングが続くが……。 「学園祭を盛り上げて! 斎川唯の存在を、全世界に知らしめてあげましょう!」
一流の探偵とは、事件が起きる前に事件を解決しておくもの。それがシャーロットの憧れた名探偵の口癖だった。彼女の死後、シャーロットはその遺志を引き継ぐためエージェントとして難事件に挑んできた。しかし、戦闘の腕は確かだが、推理は相変わらず苦手のままで……。 「ワタシのために推理しなさい」 自分と同じ愛称を持つ少女・シャルネリアに出会い、頭脳仕事は彼女に任せてしまおうと割り切ることにしてーー。 仲間は作らない。それでも必要なら手を組むことはする。 シャーロットはただ、事件を解きたいのだから。 君塚に再会するまでの一年を描いた、シャーロットの探偵活劇!
《虚空暦録》の正体を知った俺・君塚君彦は、名探偵らと共に欠けた世界の記録を修復する最後のピース《システム》へと辿り着く。 そうして《大災厄》にまつわるすべての記憶を取り戻すのだがーー 「必ず、戻って来て」 「ああ、世界を救った後でな」 それはかつて仲間と交わした固い約束。 眠り姫を目覚めさせ、ハッピーエンドへと至る道標。 だが《特異点》に課せられたのは、とある究極とも言える選択で……。 探偵はもう、死んでいる。 ままでは決して終わらせない。 あの日そう誓ったからこそ俺は選ぶ。 ーーたとえ後にこの俺が《大災厄》と呼ばれようとも。
あたしは女子高生・夏凪渚。二人の親友と一緒に楽しい学園生活を過ごしていた。そんな普通の女子高生になれたと思っていた。でも。「あんたが名探偵?」ずっと探していた『名探偵』を見つけてからは目も眩むようなひと夏の冒険が始まり、新しい出会いもあった。そして知らない世界に踏み込んでしまったことで、親友たちとの距離も感じ、日常に戻れるか不安だった。それでも二人は以前と変わらずあたしを迎えてくれた。またいつもの学園生活が戻ってくる、そう信じてたのに…。「夏凪先輩。私と付き合ってください」銀髪で『彼女』にそっくりな後輩女子にいきなり告白されてー。
失われた世界の記録を修復するため名探偵の助手として働く俺・君塚君彦は、その異変の原因が怪盗・アルセーヌにある可能性に行き着いていた。 また怪盗の正体が世界最悪の犯罪者アベル・A・シェーンベルクであるという仮説のもと、昔アベルを追っていた暗殺者・加瀬風靡を探し出し話を聞くことになるがーー 「覚えておけ、君塚。正義なんて、本物の悪の前ではいくらでも揺らぐということを」 やがて明らかになるのは、あらゆる正義が巨悪に立ち向かった戦いの記録。 世界によって秘匿された《虚空暦録》の正体。 当時そこに辿り着いた俺たちが下した決断はーー。 これは正義を追求した者たちの、理想と意志を問う名もなき英雄譚。
ー普通の女子高生になりたかった。この『命』は、女子高生になることを願っていたから。あたしは、渚。夏凪渚。きっとまだ何者にもなれていない、ただの女子高生だ。少しだけ人と違うのは、病弱で最近まで学校に通えてなかったことくらい。でも奇跡的に適合するドナーが現れて手術に成功した。変な時期の復学になったけれど二人の親友のおかげで、念願の普通の高校生活を手に入れたのだ。そう、ただの女子高生。でも、この心臓の持ち主のことが気になって…。この町にいるという噂のどんな事件でも解決する少年を探すため、親友たちと学校で話題の変な事件を調べているとー。
世界の危機を救うべく再び名探偵の助手となった俺・君塚君彦は、失われた人類の記憶を修復する旅に出ていた。 そうして情報屋に続いて巫女の見つけた《聖遺具》と呼ばれる祭具を用いて、過去のとある世界の危機を検証することになるのだがーー 「吸血鬼の反乱はオレが防ぐ。お前たちは手を出すな」 それはあまり思い出したくない吸血鬼・スカーレットに屈した敗北の記憶。 さらに当時は知ることさえ叶わなかった壮絶な真実までもが明らかになりーー 「よければ聞いてほしい。ある男が生きて戦い抜いた日々の話を」 これは世界に隠された謎に挑む探偵たちの冒険譚。 そしてーー世界の理不尽に最後まで抗った吸血鬼の王の物語だ。
「世界の秘密を解き明かす旅に出よう」かつて二人の名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、とある奇跡を叶えて日常という名の後日談に浸っていた。だがある日、世界平和を象徴する“聖還の儀”という式典で、人類の記憶に異変が起きていることが判明。俺たちは過去に乗り越えた災厄の記録を振り返り、検証を始めるのだがー「あなたリルの使い魔になりなさい」思い出されるのはかつてのもう一人のパートナーとの記憶。魔法少女・リローデッドとの短くも鮮烈な非日常。彼女と紡いだ物語の記憶はやがて、失われた世界の記録と交差していき…?これから語られるのは、世界に隠された謎に挑む探偵たちの冒険譚。そしてー気高く果敢な、一人の正義の味方の話だ。
探偵と助手の目も眩むような冒険譚はかつて上空一万メートルで始まった。依頼人を助け、事件を解決し、強大な敵と戦う、世界を股にかけた旅。それは探偵の死で終わりを迎えた。-だが一年後、終わった筈の物語は一人の少女の激情で再び動き出す。「大丈夫、君塚とあたしたちの願いは全部叶えるよ」「ああ、仲間を助けに旅に出よう」それから俺たちは、世界の深淵に挑み、幾多の戦いを乗り越え、多くの犠牲を払いながらもーやがて奇跡を起こした。全てが終わった今、俺・君塚君彦は、日常という名の後日談に浸っている。それでいいのかって?いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。だって、そうだろ?探偵はもうー
名探偵の私・シエスタと助手・君塚君彦の出会いは、地上一万メートルの上空、ハイジャックされた飛行機ーではない。「あなたには、日本へ行ってもらいたいのです」本当の始まりは四年前、“連邦政府”から受けたあるスパイの捜索依頼。日本に飛んだ私が加瀬風靡の協力を得て彼の関係者との接触を図るとー「ちょうどいい、お前も覚えておけ。その腹立たしいクソガキの名前はー」ねぇ、助手。どうして私が君を旅に誘ったのか、不思議に思ったことはない?今から語られるのは、三年にわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げた君ですら知らない、私だけの秘密。あの遥かな空の出会いに至るまでの、真の始まりを描く前日譚。
高校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。「あんたが名探偵?」二度目の始まりは一ヶ月前、夕暮れの教室。ぬるま湯の日常の中で、俺は同級生の探偵助手になった。それからー彼女は俺を抱き締めて、叱って、泣いて、笑って、勝手に死んだりしないと誓って、共に世界の理に反する願いを追い求めて、宿敵と死闘を繰り広げてーそして、死に別れた。また一人生き残ってしまった俺は凍える冷水の如き現実に溺れている。だけどー「助手。もう一度、仲間を助けに旅に出よう」…ああ。俺達がここで終わって良いはずがない。だってそうだろ?これは助手が名探偵を取り戻し、ハッピーエンドに至る物語なのだから。
かつて名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、今は亡きシエスタが残した課題に挑み、その思惑を超える答えに辿り着いた。名探偵を取り戻すーそんなあり得ぬ奇跡を起こすため、シード討伐の手がかりを得るために、俺と夏凪は再びロンドンへと飛ぶ。だが、その道中の飛行機で四年前と同じ「お客様の中に探偵の方はいらっしゃいませんか?」という言葉を聞いてしまい…?敵と味方、過去と未来、出会いと別れ。遺志と意志が交錯し、物語は急転を始める。探偵はもう、死んでいる。ままでは決して終わらせない。たとえそれが世界の理に反する願いでも、この結末は認めない。これは地上一万メートルの上空で始まる新たな冒険劇。
かつて名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、ある日、夏凪、斎川、シャルと共に誘拐された。そして知らされるシエスタの死の真相。呆然とする俺たちの前に、生前のシエスタそっくりの謎の少女が現れ、今の過去映像にはある間違いがあると語り出し…「どうやらやっぱり私は、人の感情を読むのは苦手だったらしい」それは完全無欠のシエスタが犯したミス。名探偵であるが故に見つけられなかった微かな想い。その過ちを探しながら、俺たちは“名探偵”を継ぐことの真の意味を知っていく。探偵はもう、死んでいる。死の真相も明かされた。それでもエピローグにはまだ早い。
高校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。 シエスタを失ってから一年が経ち、夏凪や斎川と出会い、シャルと再会した俺は、ある日、彼女たちとともに《シエスタ》に誘拐される。 そこで語られるのは俺が『忘れている』らしいシエスタの死の真相。 探偵と助手の長くて短い旅の記録。 地上一万メートルの上空で始まる少年と少女の冒険譚だった。 「君たちには、どうか見届けてほしい。私が挑んだ最後の戦いを──」 そうしてシエスタは告げる。 まだ誰も知らない真実を。 どうして探偵がもう、死んでいるのかを。 一巻発売後、異例の大反響となった第15回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作、追憶の第二弾。
高校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。 「君、私の助手になってよ」 ーー始まりは四年前、地上一万メートルの空の上。 ハイジャックされた飛行機の中で、俺は天使のような探偵・シエスタの助手に選ばれた。 それからーー 「いい? 助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」 「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」 俺たちは三年にもわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げーーそして、死に別れた。 一人生き残った俺は、日常という名のぬるま湯に浸っている。 ……それでいいのかって? いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。 だってそうだろ? 探偵はもう、死んでいる。