著者 : こぶいちむりりん
幻のこれゾン「裏ファンタジア文庫」が、書き下ろしエピソードを加えて登場だ。フリマで売り上げ対決したり、恐るべき大先生が転校してきたり、スライムにいい感じに溶かされたり、ネコカフェで命がけの早押しクイズをしてみたりー無駄に元気なハルナやユーたちの騒々しい日々を盛り沢山でお届けするぞ。これで在庫一掃総売り出し…だよな?
いやはや、前巻で無事にハッピーなエンディングを決めたつもりが、まさかもう一冊あるとはね。実は、格好つけて命を懸けた挙句にあっさりと生き残っちゃったから、結構恥ずかしかったんだよな。まったく、恥の上塗りを延長している気分だぜ…しかも、俺もうゾンビじゃないんだけど、看板に偽りありじゃねーの?気にしてるの俺だけ?それはそれとして、春奈や優のその後が気になっている奴も多いんだろ?この際だ、そんな後日談を語ってやろーじゃねえか。ついでに、サービスシーンも満載にしてやったぜ!これにて正真正銘のシリーズ完結、最後まで楽しんでくれ!
一〇〇万かあ。一〇〇万円だったら喜んで受け取るんだが、一〇〇万の魔装少女は勘弁して欲しいところだぜ。女王のやつ、そんな大軍を引き連れてまで、俺を狙ってくるとは。まったく、女の子に求められるのも、時に困ったもんだよな。「アユム、いつも以上に気持ち悪いですよ」「いや!その気持ち悪さ、プライスレス!!」わずか四秒間でけなされて、ほめられた!?いやほめられてないか。とにかくハルナが何か対抗策を思いついたようだ。そして鍵になるのは俺の気持ち悪さ、と…ねえ、最終決戦までこんな扱われ方なの?俺って??
弱っている友人がいれば、自然と手をさしのべたくなるのが人情ってもんだ。ゾンビになったからって俺からその心が消えるわけもない。とはいえ看病の相手が友紀ともなると、いかにも人間らしい余計な感情がわき上がっちまうわけで。「もっと…おっぱいの下辺りが良かった」…別の話をしよう。そうそう、ハルナが作った魔力の永久機関の設計図が大先生に盗まれたんだ。あの人のことだ、またクーデターとやらに利用するんだろう。その前になんとかしないと…え?そんなことよりラーメンの新メニューを考えろ?おまえら、もう少し緊張感もとうぜー。
世界を救う、なんて大それたことを言うつもりはない。けど実際にそんな状況になって、迷いなく正解を導き出せる奴なんてそうはいない、とゾンビの俺は思うわけだ。「…あたし、出来るかもしれない」しかしどうやら、ウチの居候にとってはそうじゃなかったらしい。ネネさんやユーに迫るセブンスアビス狩りの魔手から逃れながら、ハルナが発明していたのは、魔力の永久機関。これが完成すれば、ヴィリエと魔界が戦争する理由なんてなくなるわけだ。ただし、装置の完成のためには、もう一人「天才」が必要で、その天才ってのはつまりー
ひしひしと感じる。人生、明日はどうなるかなんて分からないと。ゾンビになったときから俺、相川歩はそんなことは承知していたはずだが、いや今回も参ったね。三世界サミットを目前にして、この世界の代表である吸血忍者の頭領が刺された。しかも犯人は内部にいるらしい。まぁそれでも三世界サミットはウチで開かれるわけで。「掃除だっ!歴史に名を残すほどの、大掃除だっ!」張り切るハルナをよそに、サラスたち吸血忍者から依頼されたのは、この世界の代表の代役に選ばれた頭領の娘、彩香ちゃんの護衛。嫌な予感しかしないが、なんとかするさ、今回もな。
「それでは、質疑の申し入れがございますので、順次これを許します。サラスバティくん」ゾンビな高校生・相川歩こと俺は、何を隠そう証人喚問を受けていた。…なーぜーだー!?話をよくよく聞いてみると、ヴィリエ・冥界・吸血忍者それぞれのトップと交渉するのに、俺たちでは頼りないからだという。確かに、俺ってば一介のゾンビでしかないからなー。でも、そんな俺でも…、絶対に負けられない戦いがここにあるんだっ!全ての世界を巻きこむであろう戦争を止めるための国会が、今始まるー。
こんにちは、私相川歩。肩までの髪が鬱陶しいから小さなポニーテールに束ねていて、おっぱいはぼいんぼいんで、くびれがあって、お尻もぷりんと上がっている。太ももはむちむちしていて、肌は水を弾く。そんなーゾンビな男子高校生なの。…てゆーか、いつになったら男に戻れるのよ!こんな状態のまま修学旅行に行けっていうの?しかも、ただの修学旅行じゃなくて、ヴィリエの修学旅行に参加しなきゃならないなんて!そんな面倒なイベント行かずに家でのんびりしたいわーって、ユーも参加するの!?もう、こうなったら修学旅行で開催される下着コンテスト、絶対優勝してやるわよっ。
バレンタインデーを間近に控えたある日、ゾンビな高校生である俺こと相川歩は、クラス委員長にしてお下げ髪の美少女・平松妙子から衝撃的なお誘いを受けてしまった。「う…ウチに来ない?…家に私しかいないから…」こ、これは「チョ…チョコの代わりに私をもらって!」的なサムシングですか!?どうなる!?どうなっちゃうのよコレ!?一方、織戸(変態)が歌いながら靴箱を磨いているのが見えた。アカン。コイツ、悲しすぎる。靴箱を磨いてもチョコは貰えないのに。そんなマンモス哀れだと思っていた友人が、今回の話の主役になるなんて、世界で誰が予想できただろうかー。
「はい、こいつは誰!」「相川、歩…私の、恋人ですね」何をするにも「気持ち悪い」と一刀両断するセラが、なぜこんなありえないことを言うのか。それはヴィリエの女王によって、俺こと相川歩に関する記憶をリセットさせられたから。…だからお風呂も一緒だし、寝るのも一緒になったんだけど。嬉し恥ずかしラブコメディ展開!?ただ、俺はこんな『今』が欲しいんじゃない。俺は、『昨日の明日』が欲しいんだ。そのために、何としても女王に“しゃぶしゃぶ”をさせないと!そんなわけで、ハルナさん出番です。
あなたは火の粉を払えますか?自分の身に隣りかかる面倒事さえ処理し続ければ、それで万事うまくいく。俺は、世の中そんなもんだと思っていた。ところが、ゾンビで魔装少女になってしまった俺ー相川歩に降りかかってきた火の粉は、ネクロマンサーのユー、魔装少女ハルナ、吸血忍者のセラだけじゃなかった。セラと敵対する吸血忍者の少女が現れ、もののはずみでキスしてしまったんだ。その子、友紀は同じ学校の生徒で、俺の嫁になるってー!?そればかりか妖怪は大量発生するわ、大先生から変な預かり物を頼まれるわ、次から次へと降りかかる災難。あーっ!払いきれねーっ。