著者 : みやもとじゅん
土曜の午後の代々木公園、手をつないで歩くわたるとあたし。めいっぱい恋人してたのに、突然彼がつぶやいた。「ああ、ガキのお守りも疲れんなあ」。あたしのハートは道に落ちたアイスクリーム、崩れて溶けて-。「あれは悪魔のしわざなんだ」なんて、子供だましの言い訳したって信じないわ。なぜ?どうして?あたしになにか隠しているの?彼の心がわからない。わたる、ほんとうのことを話してちょうだい。お願いよ!
えへ、実はないしょで、いやがる家庭教師の洋貴をなだめて、パパの研究室に忍び込んだのよ。「郁ちゃーん、お父さんに叱られるよ」だって。ったく男の子っていざという時に気が小さいんだから!狙いはパパの大事にしまってあるゾンビパウダーよ。昔のヒトをこの場に出しちゃうんだから。
人気アイドルに秘密のカレがいて、しかもそのカレが、なんと、スキャンダル専門のスクープ記者…だったらどーする?ふたりの秘密を暴くのは、カレ自身!-キケンな関係に頭をかかえているのは、カレ、雄介。そして私が、スーパーアイドル・中川菜美なのです。ライバルに抜かれたことのない、“雄介神話”は守りたいし、ふたりの秘密も守りたい。追いつめられた、あぶない恋の綱渡り。私のマル秘・作戦、そっと教えちゃお。
キューピッドの矢といったって、恋をとりもつ矢だけじゃない。失恋用の矢、ウワキ心を呼ぶ矢、恋心を忘れる矢…。私、ゆか、17歳。じつは、天使が足りなくて、ムリヤリ天に召されたインスタント天使なの。しかも、とびっきりの恋を取り消されたあげくによ!先パイヅラしたガキの天使たちにはシゴかれるし、めぐり会えるはずの直樹には、新しい恋の矢がささってるし、もうがまんできない!それでただいま、天国から脱走中ってわけ。
あいつのハート、しっかり盗みます!ねずみ小僧の血を引く私。悪いヤツから、オシャレに盗む。ところが、私のカレは刑事なの。タイホ宣言日は迫る。どうする!?
泣く子は黙る、女の子は騒ぐいい男、“イマ源氏”ヒカル。これが私のカレなの。なぬっ、光源氏ならプレイボーイのはずだって!?それはだいじょーぶ。だってヒカルったら、優柔不断の恋愛光線不感症だから、ウワキの心配まったくなし。ところが、ウチのガンコ親父、「あんな女みたいなヤツ」と、私にムリヤリ婿を押しつけるの。よーし決めた。駆け落ちしてやる!無鉄砲なのは、私の悪いクセ。だけど、いいよね。ヒカルのこと好きだもん。
今度、わたしの隣りに引っ越してきたヒト、ちょっとヘンなの!レバーとホウレン草しか食べようとしないし、ニンニクのにおいで飛び上がったり、十字架を見て縮み上がったり…。どうやら、吸血鬼の疑い、濃厚ってワケ。その名も、なんと千賀欲男!なのに欲男ときたら、気が弱くて、“美女のうなじにガブリッ”っていうのができない性格。このままじゃダウンしちゃう。貧血症の吸血鬼なんて笑うに笑えないじゃない!なんとかしなきゃ。