著者 : らむなべ
魔術漁りは選び取る2魔術漁りは選び取る2
貴族の養子として引き取られてから二年が経ち、アンドレイス公爵家の側近候補に選ばれたカナタ。公爵家の三人の子供達と交友を深めながら過ごす日々の中、カナタは最終的に誰の側近となるのか試される事となる。 ある日、公爵家が主催するパーティーの開催が決定した。しかし、長子セルドラと次子ロノスティコの間で後継者争いが浮上し、子供達の関係が崩壊しかかった状態のままパーティー当日を迎えてしまう。さらに前夜祭に狩猟大会、そして舞踏会に乗じて公爵家の没落を謀る派閥や王位継承のために動く者達の陰謀が絡み合い、カナタは己の過去と向き合いながら混迷を思わぬ事態へと導いていくのだがーー。 命を賭したその選択が、全ての未来を大きく変えていく。
魔術漁りは選び取る1魔術漁りは選び取る1
傭兵団の戦場漁り、少年カナタは生き延びるために戦場で金目のものを漁る生活を送っていた。唯一の楽しみは戦場に落ちている魔術の残りかすーー魔術滓(ラビッシュ)と呼ばれる綺麗な小石を拾う事。それは魔術師が魔術を発動した際に生じた余計な魔力の塊。時間が経てば消えるだけの、言ってしまえば何の役にも立たないゴミ。しかし、過酷な環境下でカナタが美しいと感じられるものは、この魔術滓(ラビッシュ)くらいしかなかった。 ある日、高額な報酬を約束された戦火で、傭兵団は何者かの魔術によって執拗に攻撃を受け続けた。その攻撃は雇い主である貴族の魔術師によるものであり、契約を反故にするための裏切りであった事が次第に判明する。傭兵団が悪意の岐路に立たされた時、カナタが選ぶのはーー 覚悟と決意を胸に、少年は成り上がる。
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