著者 : サカノ景子
黄桜男爵家は特殊な家で、令嬢ありすも人ならぬものが見える。 そんなありすも結婚し、上流階級の人々を集めたお披露目会で幸せな若妻として一歩を踏み出そうとしていた。 けれど善意から夫に取り憑く女の霊を指摘して、衆人環視の中、夫に突き飛ばされ罵られ、ついには離縁状を叩きつけられる。 そんなありすの元に縁あって助けた空泉伯爵家当主・一臣が足繁く訪れる。柔和で実力と美貌を兼ね備える一臣だが、ありすを保護するあやかしの猫はひどく警戒し…… ばけもの姫の行く末は鬼が出るか蛇が出るか、大正浪漫恋物語。 第一章 幸せな破婚 第二章 アンティーク伯爵の求婚 第三章 鬼祓い 第四章 印刷所の娘
第2回アイリス異世界ファンタジー大賞・審査員特別賞受賞作&人気作家が書き下ろした、訳ありな男性たちと結ばれた令嬢が幸せを掴むまでを描いた珠玉の9編を収録したアンソロジーが登場! (収録作品) 「姉の身代わりで結婚した、直視したら目が潰れる光王子に「僕を愛する必要はない」と言われました。」(著:結生まひろ) 「契約結婚の相手が『君を全力で愛するから気をつけろ』と警告してきました」(著:そらほし) 「婚約破棄されたスナギツネ令嬢、実は呪いで醜くなっていただけでした」(著:宮之みやこ) 「引きこもり呪術家令嬢は呪われ依頼人と婚約中」(著:夏 みのる) 「無自覚な俺の婚約者」(著:琴乃葉) 「特命!変態伯爵様の罵り係〜憧れている美形の英雄に屈辱を与える立派なお仕事〜」(著:長月おと) 「逢瀬を目撃した二人」(著:有沢真尋) 「塩対応の結婚相手の本音らしきものを、従者さんがスケッチブックで暴露してきます」(著:間咲正樹) 「私の目はどこかおかしいようです」(著:高月水都) カバーイラスト:サカノ景子 扉イラスト:くまの柚子/鳥飼やすゆき/由貴海里
宮廷を騒がせた帝の子懐妊の真相は、千古の計らいで歴史の陰に伏せられ、月薙国は新たな年を迎えた。貴族ではなく、民のための国へ。帝と千古の手によって政治は変わりつつあり、目下、海賊との戦いに向けての準備中。それを手伝う謎多き男、秋光の正体に、千古の心は揺れていた。帝はそんな千古の心を認め、待つ。秋光もまた、自身の千古への想いを行動に移す。やがて海賊討伐の船上で、三人は各々が行く道を定める時を迎えるのだったー。時代は動く。後に歴史に記される、雷帝と妖后の物語の巻の末。
王宮筆頭魔法使いで最強の旦那様であるエディ達とともに、フィリミナはクレメンティーネ姫の婚約祝賀会に参加することに。祝福の拍手に、贈り物を渡そうとする双子。会場が喜びに満ちている中、彼女は気づいてしまった。王宮侍女の裏切りの刃が姫に迫っていることを!とっさにフィリミナは姫を庇い、意識を失ったのだけれど…。目覚めた直後、エディに十五年後の世界だと言われてしまって!?
鬼が大臣へと収まり、落ち着きを取り戻した宮廷。また珍しく登花殿を訪れた暁下大臣からは「子はまだか」とくどくど諭され、千古は辟易していた。挙句に靫負尉の娘を侍女として迎えるという。千古が駄目なら帝の子を成せる健康な女を、という意味なのは、もはや千古も溜息しか出ない。その折、千古はある者の異変に気付く。まるで子を宿したような立ち振る舞いなのだ。果たしてそれは帝の子か、それともー。意図せず心を惹き寄せる帝や秋光を前に、恋に政治にと翻弄される千古。最高潮間近の第七巻!
夏のある日。王宮筆頭魔法使いで最強の旦那様であるエディとともにフィリミナは頭を抱えていた。それは双子達の「おつかいがしたい」という、可愛らしいお願い事をどうしたら叶えられるかという難題のせいだった。その解決のため、フィリミナは自身が考案した魔道具を駆使して、エディと子供達の活躍を密かに見守ることにしたけれど…。思わぬ事態に陥る「はじめてのおつかい大作戦」、他2編を収録した大人気シリーズ第13弾!
信濃の鬼退治も終えた秋の始め。帝からの寵愛を肌で感じながらも、後宮の将来を案じていた千古。ある時清涼殿の庭に落雷がおきる。後宮が「祟りだ」と騒然となる中で、暁上姫・明子が病床に伏せたと聞きつけた千古は、想念に扮装し宣耀殿を訪れた。病を見守る想念の眼差しから、遂に正体に気付いてしまった明子。かえって正后への憬れを抱くが、彼女にも鬼の手が迫っていた。一方で「祟り」を収めるため妖后を演じる千古の目の前へ、ある男が姿を現す。彼の唇から漏れたその名はー!?
王宮筆頭魔法使いで最強の旦那様であるエディ達と平穏に過ごしていたフィリミナ。彼女は春の大祭が近づいてきた頃から、日本人だった『前世』の夢を見るようになっていた。夢は、かつてのような悪夢ではなく、穏やかなもので…。だから、心配するエディに大丈夫と笑っていたけれど、夢から覚めるたびにフィリミナから何かが失われ始めて!?「小説家になろう」でも大人気シリーズ、待望の書籍完全書き下ろし第12弾!
鬼の奇襲から千古を庇い、世を去った兵衛・秋長。彼が居なくなった後宮に、密やかに一人の姫が輿入れをした。その名は紅葉姫。山で拾われた鬼娘だと噂の姫は、荒ぶる美しさを持ち、顔立ちはあの人物にとても良く似ていた。鬼姫の輿入れから少し過ぎた夏の日。秋長を失い悲嘆に暮れ心を閉ざした千古は、思い掛けず帝から祭りに誘われ、洛外へ出向くことになった。そこで二人は信濃で流行りの、鬼の子を身籠もる“水鬼の祟り”の話を耳にするがー!?薬師を目指す、大人気平安ファンタジー第五弾!
突然、王宮筆頭魔法使いで最強の旦那様であるエディとともに、次期王位継承者であるクレメンティーネ姫に呼ばれたフィリミナ。漠然とした不安に包まれていた彼女は、異世界からの来訪者を、姫の結婚相手とせよという神託があったと、本人から聞かされることに!しかも、しばらく預かってほしいと言われたその少年は、日本人のようでー。「小説家になろう」でも大人気シリーズ、待望の書籍完全書き下ろし第11弾!
成子の誘拐事件も無事解決し平穏を取り戻した宮廷。だが千古を悩ますことが二つあった。一つは暁上姫・明子が千古の真似事を始めたこと。少しの細工で千古を傲慢に見せ、おかげで陰口さえ噂された。そしてもう一つは帝の噂。新たな后候補を、しかも「鬼女の都」から呼び寄せるという。千古は帝や秋長らとともに偵察へ出向くが、旅路で思いがけず、帝と二人きりで一夜を過ごすことになる。満ち足りた時を過ごした千古を、この先最悪の悲劇が待ち受けているとも知らずー。薬師を目指す平安ファンタジー第四弾!書き下ろし。
成子掌侍と帝が陰で逢瀬を重ねていると知り、一人拗ねていた暁下姫・千古は、都鼠による火災の噂を聞きつける。坊主に変装し調査へ乗り出す千古だが、その頃自身に入れ替わった成子には鼠の陰が忍び寄っていたーー。
永遠を生きる姫宮として国を守る真珠の下に、若き王・透輝が命を狙いに来る。彼の目的は“宮”を排して、新しく国を作ること。宮を守るため、真珠は禁断の婚姻契約をもちかける。愛したら、死ぬー相手と心から結ばれる時、姫宮と共に世界は滅びるのだから。だが仮初めと知りつつも、国を想う透輝に徐々に惹かれていき?「たった一人の、あんただけが欲しい」魂が求め合う第17回角川ビーンズ小説大賞“優秀賞”受賞作!
離縁を目指していたはずなのに正后になっていた暁下姫。鄙の地で鬼が跋扈し、村が忽然と消えたという報告を耳にする。本当に村は消えたのか、村人はどこにいるのか、そしてこれは誰の思惑か。帝と暁下姫が鬼を討つ!
人間誰しも、苦手なものがあるだろう。光の巫女付きの護衛騎士ヒルベルトにも、いくつかあった。一に妄想王女ティファンヌ。二に、その護衛兼侍女のメラニー。辛辣で、最強…メラニーは、苦手は苦手でも何故だか気になる存在で!?近付きそうで、果てしなく遠いー二人に恋は生まれるのか?大ヒット!個性派揃いのラブコメディ。人気キャラも続々登場で、全力疾走のまま遂に完結!!
下級貴族の生まれながら、人数合わせで急遽入内することになった暁下姫(きょうかひめ)。大貴族出身の后候補が揃う宮廷で、若き帝を巡る女たちの争いに巻き込まれるのだが……。 女性だてらに薬師を目指していた暁下姫は『ゴールは帝と円満離縁』とばかりに、香(こう)や召し物に医薬の知識をフル活用した工夫を施し、あの手この手で帝を遠ざける。しかし、そのことが宮廷を巻き込む大貴族の権力争いにまで発展しーー? 降りかかる火の粉は医薬で振りで払う! 薬師(くすし)を志す姫君の、“皇后を目指さない”平安宮廷ファンタジー開宴!
貴族の生まれでありながら、有能な商人でもある令嬢ミレイア。結婚には、どうにもピンとこない日々を送っていた…。ある日、街の市場で天使のような少年に出会う。彼こそが、実は第二王子イグナシオで!?しかも二人は、ひょんなことから期間限定で婚約することになり…!?エミディオの弟、兄の上をゆく腹黒・猫かぶり王子が遂に登場。完結間近!個性派ばかりのラブコメディ第9弾!
隣国ヴォワールとの国境を預かるベルトラン家に王家からの縁談が舞い込む。相手は神国王の従弟フェリクス。だが、見合いする予定の双子の姉イライアが駆け落ちしてしまう!イライアへの苛立ちや心配、代わりに見合いをすることへの不安ー変装して別の人間になりきるのがストレス解消法のロレーナは、さっそく少年へ変装して街へ繰り出す。ロレーナはそこで謎めいた騎士と出会い…?
クロエは侯爵令嬢でありながら、おしとやかとは正反対の性格。宰相である祖父の後押しを受け、女騎士の道を邁進中。だが、そんな彼女に縁談が!相手は、悪政で国民を苦しめた前王を廃し、新王となったアルセニオス。クロエは反発するものの、命を狙われている彼を守るためのかりそめの婚約だと言われて納得する。使命感に燃えるクロエと、猪突猛進な彼女に翻弄されるアルセニオスは…?