著者 : マナカッコワライ
斉木羽麗の父を追い、多額の借金を背負って堕とされた強制卓球訓練施設。すでに父はここにはいないことを知った修と羽麗は、先に堕とされていた梓と協力して脱出を試みるが、カースト上位の双子姉妹が立ちふさがる!?
卓球部のエースで幼馴染みの斎木羽麗が失踪した。父親の抱える8000万もの借金を返済するため、金持ちが道楽で主催する“闇卓球”の選手として戦うというのだ。闇卓球ーそれは、ゴスロリ服を纏った少女たちによる卓上のマネーゲーム。その勝敗に途方もない金額を賭けて行われる、常軌を逸したギャンブルだった。この狂った世界から抜け出す方法は一つ、卓球で勝ち、稼ぎ続けること。羽麗を捜し、彼女の許へとたどり着いた坂井修は、幼馴染みを借金地獄から救済するため、共に命を賭けたギャンブルに挑むー。
人狼討伐に全てを懸ける男・吉田射織。肩書は東京人狼討伐庁長官補佐、あだ名は討伐サイボーグ、嫌いな物は馬鹿と無能と人でなし、欠点は致命的な方向音痴。出張中に遭難した山奥で、射織は幼い少女と出会う。少女の名は、秋宮アイカ。純真無垢な少女の故郷“神代村”は、美しくのどかな理想郷。しかし村には秘密があって…。死者にまつわる奇妙な村の風習、肉を模した赤い餅、存在しえない絶版雑誌、眼球抉りの映画ヒロイン、秘密を暴いた記者の失踪ーバラバラのピースは、解けて砕けて交錯し、やがては大きなうねりを起こしていく。この出会いは悲劇か奇跡か幻か。星々煌めく七夕の夜ー全てが“繋がる”。
“人狼”、彼らは一年間に一人、人間を喰らわなくては、その命を保てない。カナガワ3区の新人討伐官・連野壮真は、人に化けて人を喰らう人狼を討伐するため、自らを天使と名乗る同僚の討伐官・篠崎樫乃と任務に励んでいる。共に両親を人狼の手によって失った二人。だが、二人は初めての囮捜査で偶然にも、樫乃の両親の仇である、遺体にV字の傷跡を残す・侵才の人狼“VOLF”の犯行の痕跡を発見する。しかし、樫乃が人狼の正体を見破ることができる“暴きの目”を発現させてしまったことで、二人の運命は大きく変わってゆくこととなりー!?第12回MF文庫J新人賞受賞、鮮烈の小説デビュー作。これはー決して暴いてはならない真実の物語。