著者 : 三文烏札矢
思いつき、心境の変化、趣味の多様化などと言われる新たな試みは、大抵悪い方へ転がる。しかもそれに挑む者が異世界から迷い込んだ根無し草で、反則ともいえる力を持ち、道楽狂いの独身中年男であれば、なおさらだろう。事実、その男がこれまで関わってきた道楽や偽善は、微妙な結果に終わっている。少なくとも、本人はそう思っている。だがその試みが、曖昧な行動指針ではなく明確な理念に沿った仕事である場合は、どうであろうか。労働に勤しむ中年男のやりがいと哀愁を描く、異色の社会派異世界劇の第七幕。赤蜻蛉舞う夕焼け空が美しい晩秋に開幕!
その中年男は、罪を重ねてきた。二度寝、遅刻、居眠り、サボり、深酒、虚偽、欺瞞、等々。法に触れない範囲で、たくさんの悪事を働いてきた。異世界へと迷い込み、強い力を手に入れてからは、堰を切ったかのようにやりたい放題。盗賊を襲撃して逆に強奪したり、美女の弱みにつけ込んで契約を強要したり、多くの女性をたらし込んだり……。 そしてまた、今日も今日とて罪を犯す。現代日本では大罪、ここ異世界では合法。人権無視なのに人助けになることもある、倫理観の違いを象徴するかのような罪。金さえあれば誰でも美女を手に入れられる禁忌の制度。あれこれ理由をつけて中年男は、念願にして禁断の奴隷少女を購入するのであった。
異世界特有のロマンである剣と魔法、レベルとスキル、そして魔物との戦闘。その全てが詰まった夢の職業「冒険者業」は、異世界には欠かせない。基幹産業を冒険者が担う街に住みながら、一切関わろうとしない男がいた。ある日突然、理由も目的もなく異世界へと転移し、棚ぼたで力を手に入れた中年男。大きな力を持つ故に、働く必要がなく、毎日毎晩、飲んだり食ったり女と寝たりと遊び放題。貴族のお嬢様や勤労少女に幾度となく諌められても、どこ吹く風。昼寝、昼酒、昼風呂を楽しみ、今日も今日とて自堕落な生活を送る。しかし、ある日中年男は、冒険者になるための実地研修を受けていた!その理由とは一体?
異世界へ転移してしまった冴えない三十男。思いがけず手にした力を使い遊び呆けるつもりが、女性絡みの事件に巻き込まれてばかり。アコギな商売を持ちかけて、美女と恋の駆け引きを楽しんだり。馬車の旅で犬耳のメイドさんにひざ枕をしてもらったり。空飛ぶ魔法の絨毯に乗って極寒の観光地へ行ったり。旅は道連れ世は情け。異世界の異国の地で、三十男は初対面の女性を道連れに旅を堪能する…と思いきや、その裏では貴族と魔族の恐るべき陰謀が進行していた!冒険者の街オクサードの領主家から送られてくる最悪の刺客。人類の天敵である魔族を代表して襲いかかってくる最強の魔人。昼寝と道楽を愛し、協調と結婚を嫌う三十男が、かつてないピンチに見舞われる!
強大な力を持った三十男は、ポンコツな従者を引き連れて、今日も自由気ままに異世界で放蕩の限りを尽くしていた。例えば、力を求める少女に一緒に風呂に入りながら魔法を教えたり。例えば、人類の敵である魔人の美女を脅して取引を持ちかけたり。例えばー好奇心の強いお嬢様と食いしん坊なメイドをからかって遊んだり…。気まぐれな行動で人々に多大な影響を与えていくが、そんなことはどこ吹く風。お構いなしに、男はひたすら享楽を求めていく。冴えないおっさんの道楽三昧な異世界旅、第三幕が今始まる。
異世界に迷い込み、役立つ能力(魔法やアイテム)と役に立たない従者(少女の姿をした魔物)を手に入れた、三十すぎの冴えない男。アイテムを換金して荒稼ぎ。高額な宿に泊まり悠々と朝風呂。名物を探して露店回り。そして、異世界に慣れ、脅威となる相手が存在しないと知った男は、調子に乗って好き勝手に遊び始める。請われ、求められ、疑われ、恐れられ、泣かれてもなお、己の享楽にしか興味がない男。力さえあれば何でもできると、信じて疑わない…。全ては、渇望する「余裕」を手に入れるがために。男は今日も「道楽」という名の旅に出る。-三十すぎの放蕩男が本格的な道楽に興ずる第二幕。ついに開幕!
普段は仕事に追われ、余裕のない日々を送る、三十男。仕事も一段落し、久しぶりの連休に、特別な趣味ー道楽を見つけようとする。「例えば、旅なんていいよな」。その願いが通じたかのように、男は帰宅途中、地球と異なる世界に迷い込んでしまう。そこは、レベル、魔法、スキルといった特殊なルールが存在する、不思議な世界。そこで男は、労せずして大きな力を手に入れてしまう。素晴らしい力を得た男は迷わず、道楽を探す旅に出るのだった。