著者 : 上遠野浩平
ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕
人の心の中にはひとつの卵があるという。その卵は心の中で表向きは無いことになっている何者かを貯えながら育っていき、殻の中で生まれ出るその日をずっと待ち続けているのだという。それが殻を破ったとき、その可能性はこのぼく、ブギーポップをも凌いで、世界を押し潰すかも知れない。…そして卵の指し示す運命はここにひとつの対決を生み出す。一人は既に最強で、もう一人はこれから殻を破る。だが宿命の秒読みは二人が出会うそのときまで刻まれ続ける。最強と稲妻、この二人は己の生きるたったひとつの道を見出すため、多くの者を巻き込み避けえぬ激突を迎えることになるだろうー謎のエンブリオを巡る、見えぬ糸に操られた人々の死闘の第一幕がいま上がる。
ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師
君は何かを取り逃がしてしまったことはあるかな?とてもとても大切なことだったのに、つまらない意地を張ったり、目の前のことばかりに気を取られて見逃してしまったことはないかい?…これはそういうことを繰り返さざるを得なかったある魔術師の話だ。彼は天才で、成功者で、そして失敗者だ。この魔術師が辿る一途で愚かで、そして寂しく陽気なこれはアイスクリームの物語。冷たく鮮烈な甘さは、一瞬の、そう、このぼくブギーポップですら見逃してしまうほど速く、あっという間に溶けて消えてなくなっていくひとときの慰みー道化師と死神とそして夢破れた人々が織りなす、無邪気で残酷な哀しいお伽噺。