著者 : 中村ふみ
獣を祀る奥見島には、獣の耳と強靭な肉体をもつ一族が暮らしている。彼らは明日何の帝に恭順の意を示しつつ、一方で自治を認められた特殊な存在だった。その強さを認められ「獣の宮の巫女」に選ばれた奥見族の娘・なぎは、流刑に処された明日何の姫と出会う。-が、実はこの姫、「迅」には大きな秘密が…。都の戦禍が島を蝕み始める。少女たちは、もう子供ではいられない。血湧き肉躍る和風ファンタジー!
燃えるような赤い髪の少女・千寿は、実の父にして母の仇ー豊臣秀吉を討つために京の都へ。ついに父娘は生涯初の対面を果たすが、千寿の心は怒りと情の狭間で揺れ動くのだった。一方、元武士の南蛮貿易商人・大野木双悦のもとでは、聖母と呼ばれる美女・カテリナが、預言者として切支丹たちの崇拝を一身に受けていて…。歴史を変える女たちの戦い、その衝撃の結末はー?
時の権力者・豊臣秀吉の起こした戦で、異国生まれの母を亡くした赤髪の少女ー千寿。成長した彼女は母の仇を討つため、鉄砲鍛冶の養父が造った唯一無二の鉄砲“でうす”を携え、太閤秀吉が城を構える京の都を目指す。一方、出羽の武将・熊谷八郎成匡の末娘晴姫は、秀吉の甥である関白秀次に輿入れの道中、賊に襲われたところを千寿に救われる。これがきっかけで千寿は晴姫の護衛となり、共に京を目指すが…。
天下四国は、天が王を定める東西南北の四つの国。元は南方徐国の王だった放浪者の飛牙は、最北の駕国へ足を踏み入れた。ところが鎖国を貫く駕では宰相の汀柳簡が権勢を振るっており、国王は傀儡と化し、国の守り手の天令・思思は枷で繋がれ監禁されていた。飛牙の相棒で落ちこぼれの天令・那兪は、同砲を救うために王城へ忍び込む。一方、宰相に目をつけられた飛牙も政変に巻き込まれ…。シリーズ第四弾!
天下四国は、天が王を定める東西南北の四つの国。南方に位置する「徐」の元王様・飛牙は、天に帰れなくなった天令の那兪を連れて東国の「越」へ。正王后の立場にある自らの大伯母を頼っての入国だったが、現在の王家は瀕死の王のもと、同い年の王子ふたりが跡目争いの真っ最中で、飛牙はまんまと巻き込まれてしまう。さらに折悪しく「屍蛾」と呼ばれる暗魅の大発生が重なり、越は未曾有の危機を迎えていた……。シリーズ第三弾! 序 章 第一章 受難前 第二章 一つの玉座と三人の王子 第三章 王都堅玄 第四章 誘う幻影 第五章 月の導き 第六章 災厄と知恵 あとがき
天下四国ーーそれは、天から授かりし四つの国。徐国の元王太子で、今やすっかり風来坊の飛牙は、天令の那兪を連れ、代々女王が治める燕国へ。そこで偶然お忍び外出中の名跡姫・甜湘と知り合った飛牙は、いきなり「胤」候補にされてしまう。胤は未来の女王たる甜湘に、子を産ませるための制度上の夫のこと。しかも飛牙の前にいたという胤ふたりは、すでに怪死を遂げているらしく……。胸躍るシリーズ第二弾! 第一章 燕国哀歌 第二章 都の風 第三章 三人目の男 第四章 胤の心得 第五章 天の毒・地の毒 第六章 乱 第七章 かたち あとがき 南天の夢
天下四国ーこの世は、峻険たる山々に囲まれた四つの国に分かれていた。南の王国「徐」の王太子・寿白は、革命の混乱のさなかに王の証「王玉」を得たが、徐国は倒れ、寿白も体内に王玉を留めたまま姿を消す。それから十年。かつて輝くほど聡明な少年王だった男は、飛牙と名乗るすれっからしに成り果てていた。天令の那兪は、飛牙の胸に眠る王玉を天へ返すよう迫るが…。極上の中華風ファンタジー、開幕!