著者 : 久遠侑
夢の中で見知らぬ少女と出会い、共に過ごすようになっていた幸成は、ある日、初めて訪れた場所に既視感を覚え、そこで夢の中の少女・優羽子と出会う。そして何と彼女もまた夢で幸成と出会っていたと言う。それから二人はその現象を確かめ合うため、一緒に出かけるようになり、やがて恋に落ちる。しかし全てが順調に思えたある日、突然優羽子が倒れ、意識不明の状態に陥ってしまい…。同じ夢を共有する二人の、ある奇跡を辿る物語ー。
雨宿りのなか、突然の由梨子からのキス。幼い頃より長い時間を過ごしてきた彼女から、異性としての気持ちを突きつけられた健一だが、ともに暮らし始めてわずか二カ月の里奈への感情も混じり合い、由梨子に返事をすることができないままでいた。夏、秋と、これまでとは違う里奈のいる季節を経て、子供の頃とは確実に変わった自分、そして周囲との関係を受け入れていく、健一の選ぶ答えとはー。多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー第二巻。
母と二人で暮らす家で、遠い親戚の女子、和泉里奈と同居することになった坂本健一。里奈の控えめな性格や気遣い、女子校育ちの無防備さは、他人との距離に悩む健一に、初めて思春期の性を意識させる。同じ十七歳の女子と一つ屋根の下で生活していることを友人達にも隠そうとしていた健一だが、幼い頃からの腐れ縁、森由梨子に知られてしまい、彼女との距離感にも微かな変化がもたらされることにー。多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー。
文化祭、そしてノギハラとの件を経て、少しずつ変わってきた黒崎。本格的にピアノを習いたいと言う彼女を、僕は入谷市で行われるコンサートに誘うことにした。その奏者である青島未華子さんは、黒崎のお母さん、奏さんの教え子であることがわかり、黒崎との出会いを喜んでくれるのだけど、彼女は黒崎の両親の過去、そして二十年前の事件にも深く関係していたようでー。第16回えんため大賞優秀賞受賞作、ドラマティック青春ストーリー第2巻、登場。
高校入学の日から、彼女の異様な大人しさは僕の印象に残った。誰もが気になって仕方ないほどの存在感を持ちながら誰も触れられなかった彼女ー黒崎麻由。文化祭の準備の中、僕とのささいな会話をきっかけに、黒崎は少しずつクラスに迎え入れられていくのだけど、彼女には僕たちの知らない影が寄り添っていて…。そんな彼女のそばに、僕はいたいと思ったー。えんため大賞優秀賞、美しく危うく脆い二人の「黒」が織り成すドラマティック青春ストーリー。第16回えんため大賞優秀賞。