著者 : 半田畔
幼少から不思議なモノが見えた大学生・旭は、作家志望のくせに読書は大の苦手。 ある日、怪異現象が絶えないと噂の図書館を偶然訪れた旭は、「本の執事」を名乗る風変わりな司書・七士と出逢う。 七士は読書が嫌いだという旭に驚き「良い本と、それに相応しい人を結ぶのもお仕事です」と一冊の小説を手渡す。けれど読書が非効率的に思えた旭が、つい小説の あらすじを検索してしまうと、彼の周りでは奇怪な事ばかり起き始め……? 本の執事に、本嫌いな青年が助手となって怪異事件の謎を解く、非日常的ミステリー! 第一章:本の執事と、たゆたう読者 第二章:本の執事と、物語の引力 第三章:本の執事と、心臓の行方 第四章:本の執事と、未完の結末 エピローグ
新しいクラスの名簿にあった『祭原牧』の文字。その名前の引力に、私はどうにも動けなくなる。牧は大切な幼馴染、だけどもう一年以上も口をきけずにいる。 (どうやって牧と話していたんだっけ……) 同じ教室のすぐ近くにいる幼馴染との距離はとっても遠い。 ある日、突然牧が家にやってきた。 「一歌、見てほしいものがある」 その頭には、猫耳があってーー 「なんか突然生えた」 内面も猫らしくなった牧は、隣で寝転んで、身をすり寄せて甘えてきて、離れていた距離はあっという間にすぐそこにーー。 気ままな彼女とのふたりだけの内緒の時間。
家庭の事情から、知り合いのダイビングショップに居候することになった葵。引っ越した日に散歩した砂浜で出会ったのは、ダイビングを楽しむ小麦色の肌と碧眼の南国少女・ナイア。 夏空のように表情豊かで、強烈な印象を残していった彼女は、なんと居候先の看板娘でーー「Aloha!今日からよろしく!」 早速、海が大好きなナイアに誘われてダイビングをすることになったが、いきなり葵の目の前で着替え始めてーー!? 「下は水着だよ? それより、早く一緒に海に行こうよ!」 思わぬ同居人は、ちょっぴり防御力低め!? 南国カノジョとひとつ屋根のした、胸が高鳴る毎日が始まる!!
『マーディスト』-殺人のマーダーと芸術家のアーティストをかけ合わせてそう呼ばれる、未だ謎多き死刑囚・風見多鶴。彼女と対話を繰り返す夕木音人は、数々の事件を経験し抱いた違和感から、多鶴の正体にひとつの仮説を立てていた。「風見多鶴は偽者で、本当は行方不明になった姉かもしれない」そんな胸に秘めた疑念を見透かすように、多鶴からの新たな提案がー「音人くんの思考は洗練されてきている。私たちのコミュニケーションは、新しいフェーズに入りましょう」『マーディスト』との対話は、次なるゲームへ。新たな事件を巻き込み加速していく物語の結末とはー。
「準備はいいか?いまからきみは、史上最悪の死刑囚と話をすることになる」数年のうちに89人を殺害した死刑囚・風見多鶴。その犯行現場の美しさから彼女は、マーダーとアーティストをかけ合わせ『マーディスト』と呼ばれていた。彼女の逮捕後、信者の模倣犯たちによる事件が社会問題に。多鶴はある人物との面会を条件に彼らの情報を引き渡す交渉を行いー指名されたのは平凡な大学生・夕木音人。彼の運命はこの対面から国家をも巻き込むものへと変貌していく!「ようやく会えた。ねえ音人くん、私とゲームをしましょう」予測不能のクライムサイコサスペンスが今始まるー。
一風変わった探偵・喰加味に騙され、探偵の助手となった優。彼の目の前で喰加味は毎回依頼人に握手を求めるが、それは妖怪である彼が人間の悪意を食べるための儀式だった!凸凹コンビが謎解く怪奇ミステリー!
いつだってお調子者で超絶ドジ、だけど何より祖母を大事にしていた宿塔馬。彼は今絶望していた。愛人の息子である自分を唯一支えてくれた祖母が亡くなったのだ。失意のまま通夜へ向かう塔馬はそこで絶縁状態の兄・築城と再会。ちぐはぐな性格のせいで喧嘩ばかりの二人だが、ともに祖母を想い、彼女が遺したベーカリーを復活させようと誓う。そして祖母が大切にしていた『やどりぎ手帖』をもとに、二人はパンの味に接客にと奮闘するがー!?おいしい焼き立てパンにきっとときめく、凸凹兄弟と家族の物語。
彼氏にメールで別れを告げられ、同時に職場からも解雇された佐々羅すず。失意のうちに実家に戻った彼女は、母の勧めから郵便局で働くこととなる。うらぶれた地元の退屈な仕事ーそう思っていたすずが配属されたのは「さよなら郵送課」という聞きなれない部署。そこは“別れの手紙”を届ける、一風変わった仕事場だった。倦怠期の男女。長く連れ添った老夫婦。そして親子。すずが届ける手紙と言葉が、別れと向き合う人々の心を解きほぐしていくー。別れは辛いだけじゃない。想いを届ける人たちの感動の物語。
数年来の絶縁状態だった風見夜子に、凪野陽太は声をかけられた。「あなた死ぬわよ」死の宣告だった。事故や事件の現場に必ず居合わせることで、クラスメイトに“死神”とあだ名される風見夜子。それは彼女が“これから死ぬ人の姿が見える”不思議な力を持っているためだった。その力に死体未遂と認定されてしまった陽太は、死因を推理し悲劇を避けようとする夜子の過激な人助けー死体見聞に巻き込まれることとなり…。彼女には人の未来の死が見える。少年少女の未然系青春ミステリー!