著者 : 博
ある日小熊は、浮谷から一風変わった仕事を依頼された。物と人、人と人をバイクが繋いでいる。仕事を通じてそれを実感した小熊は「生業」について向きあい始めて……。少女とバイクの青春ストーリー、ここに完結!
東京の大学に進学した小熊。木造一軒家を少しずつリノベーションして新たな生活を始めようとした時、追突されてスーパーカブ50に乗れなくなってしまう。代車として用意されたのは「スーパーカブ90」で……。
引っ越してきた新しい住居で愛車のカブの傷をなぞりながら、小熊はふと高校生活の出来事を思い出す。礼子との富士山登頂、椎の家でのクリスマス……大学生活を前に、本編では描かれなかった隙間の時間が今描かれる。
高校生最後の日、卒業式。小熊、礼子、椎の3人は窮屈な式典の終わりを合図に、ポケットからカブのキーを取り出した。 高校生から大人になるまでの、短い猶予。それを目いっぱい使って、自分たちがこれから暮らす街・東京を知るために3人はバイクを走らせる。有料の駐輪場、密度の高い建物群、夜になっても明るい道。東京の街は刺激的でなにもかもに圧倒されそう。 「道は走りながら決めればいい。だってそのほうが面白いから」 自分たちが見つけた、それぞれの未来。その分岐点はきっとすぐそこ。分かれ道までほんのひと時を、カブとカブで繋がる誰より近い2人の友達と走る、小熊の卒業旅行。 ★アニメ化企画進行中!★ 監督:藤井俊郎 シリーズ構成・脚本:根元歳三 キャラクターデザイン:今西 亨 アニメーション制作:スタジオKAI
高校卒業も間近の1月。3か月後に迫った大学生活の目途も立ち、山梨で過ごす時間もあと少し。しかし残った高校生活を平穏に過ごそうとする小熊とカブに、突然の試練が襲い掛かる。 入院期間は5週間。初めての入院、初めての手術。同じ病室になった、3人の個性的な女性たち。カブと引き離された小熊の日常は半日で一変していた。一方、大学受験を控えた椎は、たったひとりである挑戦をしようとしていて…… 両親も友達も趣味もない、何もなかった少女が手に入れたカブのある生活。これからもバイクと一緒に生きていくために、もう一度少女が向き合う、カブとの付き合い方。
卒業も近づく高校3年生の冬。年末年始のイベントに浮き立つ世間をよそに、小熊はひとり、冬休みを迎えようとしていた。「やっぱり、私にはカブしか無いのかもしれない」そんな折、小熊をヘッドハンティングしたいというバイク便会社の社長・浮谷が現れ、新たなバイトを始めることに。敏腕経営者とは思えない、どこか子どもっぽい浮谷。個性の違う同僚ライダーたち。大晦日の夜に出くわした、幽霊のような少女・史。馴染みのバイク解体屋で起こる、予想外のメロドラマ──両親も友達も趣味も、何も無かった。そんな小熊にカブがもたらした、人とのつながり。
両親も友だちも趣味もない、何もない少女だった小熊が、スーパーカブと出会って、もうすぐ1年。礼子・椎と今までよりも少し賑やかな毎日を過ごす彼女は、高校3年生になる。友だちと一緒の昼ご飯。当てもなく寄り道する放課後。バイクでしか出来ないアルバイトーーカブは小熊の生活を変えた。「私はどこにでも行ける」東京の大学へ進学が決まり、新天地に思いを馳せる小熊だったが、大学生活は【バイク禁止】とわかり……。
両親も友達も趣味もない、何もない日々を過ごしていた小熊が、スーパーカブを買って数ヶ月。日ごと冷たくなる風を感じ、バイク乗りにとって試練の季節・冬に備えていた小熊だが、その寒さは想像以上に厳しくて……。
山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味も無い、何も無い日々を過ごす彼女だが、中古のスーパーカブを買ったことでクラスメイトの礼子に話しかけられてーー「わたしもバイクで通学してるんだ。見る?」