著者 : 原田やよい
そしてもっと好きになるそしてもっと好きになる
あたし、ナツミはごくごく平凡な17歳。ところが、身のほど知らずにも、超美形の男の子じゃないと、心ときめかないの。それがそれが、昨日のこと。もし、あたしの理想を絵に描いたような男の子を見つけたの。その桐里君はなんと、中学の3年間、あたしと同じクラスだった池山稜と同じ日陽学院の制服を着てたの。あたしはさっそく、稜に電話して紹介してもらうことにしたの。
ロンリ-ハ-トを抱きしめてロンリ-ハ-トを抱きしめて
「花梨、ラブレターの代筆、頼みたいんだ」光司は、幼なじみのあたしが、今まで見たことのない真剣な目で、そう言った。コウジが好きになったのは、お嬢様学校に通う由美。ロングヘアを風になびかせ、大きな瞳とかわいい口もと。どれをとっても、あたしはかないっこない-たった一つ、由美に勝てるのは、コウジを好きな気持ち。でも、いまコウジの目には、由美しか映らない。せつない心、届けたいのに。
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