著者 : 古宮九時
別の世界である『異郷』からやってきた少女・一妃。床辻の土地神としての権能を引継ぎ、東の地柱となった少年・蒼汰。そして『血汐事件』の影響により、首だけになって生きる蒼汰の妹・花乃。奇妙な関係でありながらも、三人は家族として新しい生活を歩み出していた。 そんなある日、床辻の怪異を管轄する『監徒』の手引きで、蒼汰の転校が決定。そこには北の地柱・墨染雨が待っていた。土地神の先輩である彼女から忠言を受けながらも、床辻の守り手として蒼汰は着実に成長していく。 だが、異郷からの浸食現象【白線】が日に日に勢いを増す中、『血汐事件』で消えたはずの少女が現れーー。
大量の血だけを残して全校生徒が消失した『血汐事件』。その日遅刻して偶然にも難を逃れた青己蒼汰は、血の海となった教室で、彼にとっての唯一の肉親である妹・花乃の生首を発見する。だが、花乃は首だけの状態でなお生きていた。花乃の身体はどこに隠されたのか。この凄惨な事件は何故起きたのか。借り受けた呪刀を携えて床辻市内のオカルトを追っていた蒼汰の前に、謎の少女・一妃が現れた。彼女は街の怪異から人々を匿う『迷い家』の主人だという。そして少女は告げる。私が君の運命を変えてあげる、と。-踏み出したら戻れない、怪異狩りの闘争がここに始まる。
「私は犯人を知りたいんです。私に与えられた時間はーもうきっと長くないから」死者複数名を出した凄惨なキャンプ場放火事件から10年。僕の前に、同じ事件の生存者・静葉が転校生として現れる。事件当日に怪しげな男と遭遇したと言う静葉だが、彼女は“失貌症”-人の顔が認知できない病だった。差出人不明の脅迫状、黒服の男、不審火の記録。10年を経て再び事件は動き出す。これはー僕が静葉へ捧ぐ“贖罪”の物語だ。
故郷を捨てれば、私たちは強くなれるのでしょうかー。東京まで新幹線で約一時間。不自由はなく、あえて越える必要のない“一時間の境界線”に囲まれた街、高崎。地元に閉塞感を覚える美紀は、専門学校に通うため上京する日を控えていた。しかし高校卒業の日、父親が入学金未納のまま突然失踪。優斗ら幼馴染四人と共に父親捜しを始めるが、彼らにも秘密があって…。第1回未完成映画予告編大賞グランプリ受賞。将来、恋、家族に悩む若者を痛切に描く、話題の感動作を小説化!
『-私は、夢に届かない』トラウマにより歌声を失い、プロのソリストの道から脱落した19歳の椿。幼い頃から全てを捧げてきた夢を失い、残ったのは空虚感だけ。そんな中、椿はオペラの自主公演を行う“東都大オペラサークル”の指揮者・黒田と出会い…。才能を持たざる人間の、夢と現実。歌声を失った歌姫と、孤高の指揮者ー希望を見失った二人が紡ぐ、“挫折”と“再生”の物語。書き下ろし。
平凡な僕が唯一他の人と違うこと。それは人の死を予告する幻影を見る力があることだ。僕が幻影ーー【彼ら】について知っていることは3つ。 1、【彼ら】はやがて訪れる自らの死の瞬間を、何度も繰り返し続けている。 2、【彼ら】の姿が濃くなるほど、死の瞬間は近い。 3、【彼ら】は死の運命から絶対に逃れられない。 --これは全てを諦めていた『僕』が、死の未来を背負う『君』と出会い、運命に抗うため奔走する物語だ。
『-立ち去るがよい、外部者よ』ついに辿り着いた、魔法大国ファルサス。しかし世界を害する“異物”と判ざれた雫は、非常にも王・ラルスに剣を向けられる。ラルスと戦う決意をし、瀕死の重傷を負った雫だが、その一方でエリクは過去を追憶する。自らが殺した、ある一人の少女のことを…。そして“死者蘇生”の禁呪による事件で国中に暗雲が漂うなか、雫とエリク、二人の運命は分岐点を迎えー。
『小説とかドラマって不思議だと思わない?異世界でも言葉が通じるなんて』ごく平凡な女子大生・水瀬雫は、砂漠に立ち尽くしていた。不思議な本を拾った彼女は気づけば“異世界”にいたのだ。唯一の幸運は「言葉が通じる」こと。魔法文字を研究する魔法士・エリクに元の世界の言語を教える代わり、共に帰還の術を探す旅に出る雫。しかし大陸は二つの奇病ー子供の言語障害と謎の長雨による疾患で混乱を極めていて…。自分に自信が持てない女子大生と、孤独な魔法士。出会うはずのない二人の旅の先、そこには異世界を変革する秘された“物語”が待ち受けていた。藤村由紀名義でWEB上に掲載以降、絶大な支持をされた大人気WEB小説が大幅加筆修正で、ついに書籍化!
学園中が活気づく、クラス替えシーズン。しかし監獄学校は、絶望へと突き落とされた。突如、何者かの手により種族英雄たちが解き放たれ、学園は瞬く間に戦火に包まれる。不死の呪いを持つ種族英雄と戦い、生徒は次々と傷つき、王女であるニアは誘拐されてしまう。そして無情にも、地下最奥に封印された“災厄の巨人”までもが動き出しー。これは勝率0%の、絶望的な戦い。しかし、クレトは過去の因縁を断ち切り、学園を守るために最大の敵に挑む。衝撃の真実が明かされる、興奮最高潮の第三巻!
監獄学校の危機を救ったクレト。ニートだった彼も、門番として仕事に慣れてきた矢先ー突然、身体が小さくなった。彼の監督役である羽人族の指輪生・ジリアからは、ブラコンチックに普段よりも“良い子良い子”と可愛がられる始末。そんなドタバタの中、監獄学校に一人の“腕輪生”がやってくる。「彼女は死んだはずの、幼馴染です」謎の来訪者は、はるか昔にいなくなってしまったはずのジリアの親友でー。監獄学校に潜む巨大な魔物や、地下牢に封印されていた種族英雄が復活!熾烈なバトルも注目の第二巻!
監獄学校。そこは、国が認めた超危険人物のみを集め、矯正されるまで永久に出ることを許さない最凶最悪の学校。就職活動99連敗中、長年地下に引きこもる青年・クレトのもとに突如届いたのは、その監獄学校の門番への採用通知だった。「ようこそ、監獄学校に。ここがあなたの墓場です。…多分ね」成績優秀な“指輪生”の少女・ジリアの指導のもと、門番の仕事を始めるクレト。しかし、古人・獣人・竜人・巨人・羽人、多種多様な種族が集められた学校は、まさに無法地帯でー。そして次第にクレトは、学校の裏に隠された国をも脅かす“闇”を知ることとなる。第20回電撃小説大賞、最終選考作。