著者 : 吹井賢
京都府K町の社会福祉協議会で、新米ソーシャルワーカーとして働く二ノ瀬丞の仕事は、困り事を抱える人々の相談に乗り、手助けをすること。 人口2万人の小さな町だが、この社協には様々な相談が寄せられる。高齢者の手続きや支払いの代行、生活困窮者への食糧支援、社会的孤立に対する継続的な見守りなど。 時にはやるせない結末を見届けながら、この社会で生きる“誰か”の生活を支えるために、丁寧に寄り添っていく。そんな二ノ瀬のもとに今日も新たな相談者が現れてーー。 京都の社協を舞台に、新米ソーシャルワーカーが紡ぐ、どこまでも優しい7編の人間模様。 終わりの要件 「また、いつか」 家族が待ってる 進むみち 君と想い出を乗せて 私の気持ちを聞いてよ 僕はソーシャルワーカー
「過去をやり直すことはできない。それでも、もしもーそう望む人の想いは存在する。たとえ記録には残らなくても」若き准教授、椥辻霖雨は犯罪を専門に研究する社会学者だ。霊の見える不登校児・姫子と共に居候する叔父の家に、一人の客人がやってきた。彼は妻殺しの罪で十年弱の刑期を終え出所してきたばかりだという。何かを感じ取った姫子は、事件を再調査するため霖雨に協力を求めるが…。裁かれ、償われた十年の月日ーそこには壮絶な孤独と、切ない真実が隠されていた。京都が舞台のクライムミステリー。
「無味乾燥な記録にも、そこには生きた人間がいた。例えば新聞の片隅の記事、自殺者数の統計にもー」椥辻霖雨は京都の大学で教える社会学者。犯罪を専門に研究する、若き准教授だ。霖雨のもとにある日、小さな同居人が現れた。椥辻姫子。14歳、不登校児。複雑な事情を抱える姫子は「死者が見える」らしく…。頭脳明晰だが変わり者の大学教授と、死者を見、声を聞き届ける少女。奇妙な同居生活の中、ある自殺が起きる。そこは、住人が連続死する呪いの町屋でー。
死の豪華客船の事故から一命を取り留めた珠子。CIRO-S復帰早々『夢攫い』なる事件が頻出、被害者は皆一晩の記憶を消失するというもの。だが、ついに能力者の能力までもが奪われた。大きな違和感を抱えながら調査を続ける珠子の前に、伝説の能力者殺し『白の死神』が現れる。“夢”と“願望”。記憶消失と能力消滅。暗躍する死神。終わらない悪夢。強すぎる“想い”はやがて怪物を呼び醒ましー違和感の正体に珠子が気づいた時、事件は急転直下の終焉を迎える!
血塗られた“Cファイル”を追う捜査官が謎の死を遂げた。「犯人は緑眼」と言い遺してーー。 ファイルの取引を聞きつけ、豪華客船に潜入したトウヤと珠子。各国の闇組織が絡み、敵味方も分からない船中。手探りな二人を嘲笑うかのように、惨殺死体が続々と発見され……。珠子に忍び寄る怪物の影、一方トウヤの前にも予想しえない敵が現れるーー。 交錯する死線とブラフ。真実を見極めたトウヤが、死の船に仕掛けられた“本当の罠”に気付いた時ーー、死神の足音が近づいていた。 すべてが規格外!意表をつく展開、迸るスリルに、絶賛の声ぞくぞく。第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》を受賞した、究極のサスペンス・ミステリをどうぞ。
“普通じゃない”事件を扱う極秘裏な特務捜査機関CIRO-S。消えた国家機密ファイルを巡り、命懸けの捜査線から無事生還した雙ヶ岡珠子と戻橋トウヤは、その功績から揃って捜査官として仮採用される。 次の任務は、ある大学の同一教室で起こる「連続不審死事件」の潜入捜査。不可解な死因。物証もゼロ。接点のない三人の被害者……。捜査は手詰まりに見えたが、トウヤは〈象牙の塔〉に潜む悪魔の気配を感じ取りーー命知らずなやり方で核心に迫る一方、珠子の身に危機がーー! 応募総数4843作品から激賞された、第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作。発売から重版が続く大反響中の続編がついに登場!意表を突く展開、突き抜けた個性。全てが規格外、究極のサスペンス・ミステリをどうぞ。
ある怪事件と同時に国家機密ファイルも消えた。唯一の手掛かりは、事件当夜、現場で目撃された一人の大学生・戻橋トウヤだけー。内閣情報調査室に極秘裏に設置された「特務捜査」部門、通称CIRO-S。“普通ではありえない事件”を扱うここに配属された新米捜査官・雙ヶ岡珠子は、目撃者トウヤの協力により、二人で事件とファイルの捜査にあたることに。珠子の心配をよそに、命知らずなトウヤは、誰も予想しえないやり方で、次々と事件の核心に迫っていくが…。第25回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作品。