著者 : 園生凪
23歳、職歴半年のニート、ぼくの立場を一言であらわすとこうなる。友人であるカッツンの家に居候させてもらいだらけた日々を送っていたぼくは、夢をコントロールする方法を記載したブログを見つける。夢の中で死なないこと、夢の中に1週間以上とどまらないこと、と注意されつつ、ぼくは思い通りの夢を見る。その夢の中には、10年前に転校した元クラスメイトの霧崎紗耶香が現れる。彼女はぼくの初恋の人で、そして、交通事故で死んでしまった人だった。彼女との交流で、止まっていたぼくの時間が動き出したー。
瀬川エリカと俺、吾妻千里は小学校3年生からの幼馴染みだ。小学校でも中学でも、そして高校でも、瀬川と俺は、公園で遊ぶ。ダベったり、野球をしたり、走り回ったり、ちょっと喧嘩したり。「とりあえず吾妻の中で、わたしを可愛さピラミッドの頂点に設定するといいよ。そうすればわたしを通して“可愛い”がわかる」「瀬川を可愛さピラミッドの頂点に設定すると、具体的にどうなるんだ?」「わたしに似てれば似てるものほど、吾妻は可愛いと認識しだすよ」「じゃあ、電卓とかも可愛く見えんのかな」「ちょっと待って。吾妻の中でわたし、電卓なわけ?」そして今日も公園で、高校生の何気ない日常が紡ぎ出されるー。
夏休み。友達がいない新藤大輔は、暇をもてあましてしまう。スベテの助言から友達がいらない同士で同盟を組んでいる澄田に連絡をすると、やはりとても暇しているらしい。結果として澄田と城ケ崎が遊ぶらしく大輔も呼ばれる。3人が集まり話題に上がったのは、普通の友達同士はいったいどういうことをするのか、ということ。結果、それぞれが思いついたことをやってみることに。プリを撮り、プールに行ったりと、なんだか普通の友達っぽい3人だが、頻繁に城ケ崎につきまとう男ーショウタが現れる。城ケ崎によると、人の紹介で会ってから、変に気に入られているらしい。その態度が気に入らない大輔は、ショウタに対峙してー!?
俺ー新藤大輔は、中学生の時に友達の定義について考えてみた。俺にとっての友達とは何か?するとすぐに答えは出た。こいつになら、まあ、殺されても仕方ない。そう思える相手。俺にとっての友達の基準はそうなりー結果高校のクラスで友達を作ることはできず、中学からの友達が別のクラスに一人だけ。そんな俺に、クラスメイトの少女・澄田が声をかけてきた。「新藤君、わたしとー同盟を組んで下さい」同盟とはいったい何をするのかと思いきや、ノートを貸し借りしたり困ったときに助け合ったりするらしい。澄田は友達がほしくないので、孤立している俺に声をかけたらしいのだがー?第5回講談社ラノベチャレンジカップ受賞作が登場!