著者 : 夏見正隆
西日本帝国と東日本共和国との戦争危機は去ったものの、日本列島は戦争以上の“脅威”にさらされることになった。それは、謎の巨大生物の来襲…。休暇中に非常呼集をかけられた西日本帝国海軍の愛月有理砂中尉は、仲間たちとともにF18ホーネット艦上戦闘/攻撃機を駆り東日本領に突入し、この巨大生物への攻撃を試みる。しかし、近代兵器はその怪獣にまったく通用しない-!?夏見正隆のデビュー作シリーズ、ここに堂々の完結。
桜庭よしみはニュースキャスターになるために中学のころから猛勉強し、大学では体育会に入り、帝国テレビに入社してからは早朝のお天気お姉さんを一年間やり抜いて、とうとう報道部のレポーターになった。そんな真面目なよしみなのに、事件現場に出かけると必ず姿をくらまして中継に穴を空け、その間に事件は謎の解決を遂げている-そう、よしみの正体は人知れず事件を解決してしまう、正義の味方だったのだ。
「究極戦機」暴走未遂事件もつかの間、水無月忍のUFC初出撃の日は唐突にやってきた。シベリアから南下するガーゴイル、核廃棄物流出の危機はらむ「世紀末一号」、行方の知れないカモフ博士と垣之内涼子、鷹西ひかるを背負って悲喜劇する川西少尉、有理砂のF18EJに出し抜かれて歯噛みする美月のT-4高等練習機。そして、万梨子が渚佐に約束した“一回だけ”とは。地球の危機を筆頭に、みんなの難問を解決すべく「究極戦機」は起ち上がる。「忍、かっこいい」里緒菜も応援する究極第五巻-だが、これでほんとに終わるのか。
「究極戦機」、暴走か。搭載母艦=「翔鶴」に危機迫る。飛行特訓中の水無月忍にかかったスクランブルは、空母「翔鶴」への緊急着艦命令。「忍、UFCはおまえの声でないと動かないんだよ。」「えー。」「あいつを止められるのは、おまえしかいないんだ。」「そんなこと、わたし聞いてない。」当たり前です国防機密。制御者不在のまま覚醒したUFCに明日はあるのか。浜松基地をフケた里緒菜はいまどこに。渚佐と万梨子は本当にSなのか。涼子とひかるに挾まれた川西小尉の運命は。本筋に関係あることないこと盛り込んで、ついに突入する真・クライマックス。
「教官、どうしてあたしたちだけ、特別なんですか」ふとしたことから念願かなって、静岡は浜松基地で天才パイロット=森高美月の三カ月特訓コースに明け暮れる水無月忍と睦月里緒奈の二人だったが、どう考えても様子がおかしい。同期生はいないし基地の食堂でも特別扱いで、まるで隔離されてるみたい。忍は離着陸を覚えたばかりだっていうのに、今度はいきなり空戦機動。どーなってるんだろう。「教官、教えてください」ほんとはロシアで大変なことが起こりつつあるんだけど、思わずそう言ってしまった忍-いよいよ迎えるシリーズひとつのクライマックス、二人の特訓はまだまだ続きます。
「おめでとう。帝国海軍はあなたを歓迎します」「えー」と水無月忍。「どうしよう」と睦月里緒菜。出頭日はなんと二日後の11月2日、静岡・浜松基地に12:00集合だって。ところが二人を待っていたのは、恐怖の天才性格パイロット-転じて忍と里緒菜の臨時教官となった森高美月の三カ月特訓コースだった。「明日からはしごくからね」「はいっ」「はいっ」元気に返事はしたものの、運命の神様は、果たして二人の初フライトに微笑んでくれるのだろーか…。汗と涙の青春航空アクション、おまたせしましたの第二巻。
二十世紀も終わりに近いある日、帝都・西東京の自由が丘が、二人の女の子が立ち止まった。“一緒に大空を飛ぼう”それは西日本帝国海軍・飛行幹部候補生の募集ポスター。水無月忍と睦月里緒菜-昨日まで他人だった元アイドル歌手とスチュワーデスになり損ねた就職難の短大生は、ポスターの前で、お互いの名前も知らぬまま友だちになった。なったばかりか、無謀にも二人揃って試験を受けることになったからさぁ大変。「ねえ、願書もらいに行こうよ」里緒菜の手を引っぱる忍の眼には、しかし“大変”の二文字はあんまり映ってないみたい…。未来に羽ばたく女の子たちを主人公にした贈る、青春航空メカ・アクション、開幕。