著者 : 大平しおり
「あのね。私とつきあってくれる?」 美少女に告白された。ヤンキーに絡まれがちな日常から抜け出すため、元お嬢様校である杏子ヶ丘学園高等部に進学した俺は、ついに初彼女をゲットしたのだ。 これで夢にまでみた幸せな高校生活が送れる、そう思っていたのにーー 「ハルくんのことが好きだから。永遠に自分のものでいてほしいって、思うでしょ?」 なぜ、俺は初デートで彼女に殺されかけているのだろう? 衝撃の結末から目が離せない。これは、不器用なふたりの愛と殺意の物語。
小六の夏休みに江の島の祖母の家で出会った少女・明日歌と語り合った夢を叶えるため、江の島高校に入学した和樹。しかし、あろうことか「和歌部」はすでに廃部してしまっていた。 再会した明日歌とともに、なんとかメンバーを集めて和歌部を復活させたものの、待ち受けていたのは「大会で入賞しなければ廃部」という残酷な現実だった! 過酷な特訓をこなすうち、和樹の内には恋心も募り……。 つき進む先で待ち受ける恋と大会の行方はーー?
どうしてもスイーツから逃れられない刑事がいる。普段はスイーツを貪るだけのダメ人間だけど、糖分を摂れば難事件をも解決するスイーツ狂いのキャリア刑事・加東慶貴。もう一人は、学生時代に進路で悩み深夜のケーキ屋でドカ食いしていて補導され、慶貴に「警官になりなさい」と諭され本当に刑事になってしまった和菓子屋の娘・佐東杏子。 そんな運命的な「あんこ」と「ケーキ」が再会したのは、ウェディングケーキの中にパティシエの死体が隠されていたスイーツフェスの事件で!?
ずっと知りたかった想いは、兄の贋作に隠されていました。 これは贋作を巡る、不器用な兄妹の心探しの物語ーー。 古都金沢。情緒溢れるこの街のとある店では"本当の心"が見つかるという。 「偽物には本物の物語がある」と語る星野灰。彼が始めた贋作しか取り扱わないという風変わりなアンティークショップには、訳あり客の品ばかりが集まる。マリー・アントワネットの首飾り、モナ・リザ、モネの睡蓮……灰は、店を訪れた客のため、贋作に隠された真実の物語を解き明かしていく。 一方、妹の彩は十年以上も音信不通だった兄が始めたおかしな店を手伝うことになってしまう。兄の気持ちがわからないと悩む彼女だったが、やがて贋作と向き合ううちに兄の本当の心に気付き……。
病床の祖父・仲尾碧から渡してほしいと託された一通の手紙。それは、67年前に書かれた祖母ではない蓮沼閑子という女性宛のもの。孫の晴人は、閑子の孫の咲子と出会い、在りし日の祖父の想いを探ることに……。
「みなさんには、ケーキのように愛おしい宝物はありますか?」--大切な想いが込められたものには、必ず他人を魅了する力があるという。あなたも一軒の洋菓子店にまつわる甘くて苦くて愛おしい物語をご賞味あれ。