著者 : 守野伊音
世界最後の希望と言われる薬術師。 新米のライラは遠征先で、王城で飼われていた妖人レイルと出会う。 その夜、クーデターが勃発! ライラはその最中、妖人の魂である魂石でレイルを支配してしまう。 彼を放っておけないライラは、解放する代わりに「対等な存在」として護衛に雇うことに。 逃亡の旅でレイルを癒すうち、二人は次第に距離を縮めていくが……? 「生きて、ここにいてくれ」 命を讃え、恋を唄う異世界ファンタジー! 序章 第一章 聞こえ始めた薬恋歌 第二章 運命奏でる薬恋歌 第三章 人の奇跡が薬恋歌 幕間 違う色した薬恋歌 第四章 恋しいあなたに薬恋歌 第五章 誰が為の薬恋歌 第六章 君が唄う薬恋歌 外伝 あとがき
神との邂逅を経て自身の役割と使命を思い出した第十三代聖女マリヴェル。この国の忘却の元凶でありマリヴェルの中に眠る“何か”を執拗に狙う先代聖女エイネの攻撃をしのぎ、神殿を守りぬいた。神官たちの記憶は戻っていないが状況から考えればマリヴェルが聖女であったことは明白であり、神殿は彼女を聖女に掲げてついに動き出すことに。国中に大規模な忘却をもたらした術の解明が進むなか、霊峰の湖にてエイネが仕掛けた呪具が発見される。おまけにエイネに関するとんでもない秘密も明らかになり…神の代弁者として神殿とともに再び走り始めた聖女マリヴェル。だが、絶望もまた加速していく。
ある日突然、人々から忘れ去られた第十三代聖女マリヴェル。聖女選定儀式で問題を起こす彼女は神殿側から目をつけられていた。神官エーレの尽力もあり、なんとか話の機会を得たマリヴェルは互いに情報を共有しながら事態の解明を進めていくが、彼女に残された時間は多くはない。自らの役割を思い出したマリヴェルはとある使命を果たすために突き進むがこの世界を手中に収めようと画策する先代聖女エイネ・ロイアーが大人しくしているはずもなく…。絶望に染まっていく世界で一縷の望みはマリヴェルに託された。
第十三代聖女マリヴェル。聖女に返り咲くための選定へ参加し、試練の度に謎のトラブルに巻き込まれていた彼女だったがその影には故人であるはずの先代聖女エイネ・ロイアーの姿が!?真相を突き止めるべく、先代聖女を崇拝する派閥への接触を試みるマリヴェルは先代の元神官長が由緒ある伯爵家に匿われているという情報を聞きつけた。そこで、秘密裏に王子の力を借りながら神官と共に伯爵家で行われる夜会へ変装して参加することに。しかし、この一件をきっかけに事態は思わぬ方向へ進んでいく。一人の少女に対してあまりにも残酷な世界。しかし、聖女マリヴェルは絶対に歩みを止めない。
“聖女”-それはアデウス国の象徴であり、神の代弁者。歴代随一の治癒と浄化の力をもつ第十三代聖女マリヴェルはある日、目を覚ますと周囲の人間から綺麗さっぱり忘れ去られていた。聖女を騙った冒涜者として神殿から追放されたマリヴェルは全てを失いスラムに流れ着くが、ただ一人聖女を忘れていなかった神官と再会し再び聖女の座を目指して選定の儀式へ参加することに。ところが、マリヴェルに敵意をもつ何者かの影響か、彼女の選定儀式はトラブル続きで…。これは力強くも健気、泥臭くも美しい聖女マリヴェルが、ささやかな幸せを取り戻すために奮闘する物語。
皇都エルサムで始まった戦争の中、カズキは人質解放の条件として一人でディナストに追いかけ回されていた。宮殿内を走り回って逃げていると、異世界にやってきていたある人物と出会う。その出会いがきっかけとなり、大きな決意をするカズキ。そして、城で待つディナストの元にルーナがようやくたどり着き、長かった戦争はついに決着する。戦乱の時代を駆け抜けた少女カズキと騎士ルーナの運命は?ハンカチ必須の感動のクライマックス!
巡礼の滝から落とされたカズキとルーナは洞窟で目を覚ます。どうにか一命をとりとめた二人は、迎えに来た住人に案内されてとある場所に辿り着いた。そこは、驚くほどのどかで、大人も子供もいる小さな村だった。どうやら巡礼の滝から落とされて生き延びた人たちが集まって、村を築いたらしい。ルーナと兄妹という設定にしてしばらくそこで暮らすことになったカズキは、一緒に料理をしたり、同じベッドで眠ったりと穏やかで幸せな時間を過ごす。一生この平穏な時間を過ごしたいと願いつつ、再会を約束したアリス達の元へ戻らなければいけないと、二人は帰る手段を探すのだが、住人たちは、村からは決して出られないと言いー。
ルーナの記憶は戻らず、ユアンも子供に返ったままだったが、カズキ達はガリザザ行きの船上でそれなりに平穏に過ごしていた。しかし突然の嵐によって船は難破。次に目を覚ましたときには、何故かガリザザの兵士とともに囚われていた。皇子ディナストは、罠に人間を嵌めて上から見学する遊戯にハマっているとのこと。とんでもなく悪趣味な事態に巻き込まれたものの、アリスとルーナの持ち前の運動神経により、一同は何とか試練をクリアしていく。しかし、同じ闘技場に囚われた仲間だと思っていた男たちに、突如として剣を突きつけられてしまいー。
反乱軍を迎え討つため、かつての敵のウルタ砦で過ごすカズキ。双子の弟であるユアンからは相変わらず嫌われていたが、兄のユリンから、ユアンの女嫌いの理由と二人の過去を聞く。自分達を売った母親を自分はもう捨てたが、ユアンはずっと母親から受けた傷を抱え続けている。そんなユアンの傷を癒してほしいと願うユリンに、カズキは自分にできることは必ずすると約束する。一方、ウルタ砦に姿を現した反乱軍が用意していた兵器に、皆は見慣れぬせいか怪訝な表情をするばかり。だが、カズキは悲鳴を上げてしまう。それは爆弾、そして大砲だったのだ。
ゼフェカの企みにより、十年の蟠りが噴出したグラース国とブルドゥス国。軍士の大規模な離反が現実となってしまった中、カズキは偽黒スヤマの侍女としてお茶会に付き添っていた。ゼフェカがそばを離れたこの好機に、少しでもスヤマから情報を得ようと、イヴァルとヒューハと共におしゃべりに花を咲かせてスヤマの動揺を誘う。そんな中、会場内に一人の男が現れ、カズキに同行を願い出る。知らない男に警戒するカズキだが、男の正体を知って一気に警戒を解く。男は問う。「異世界人の目から見て、この国はどう見える」と。カズキは、その質問にこう答えたー。
十年ぶりに降り立った異世界で無事にルーナと再会できたカズキ。だが、黒曜という肩書の為に命を狙われてしまう。身の安全を守る為、アリスローク・アードルゲの家にかくまわれ、彼の女家族達と楽しい時間を過ごすことに。だが、娼館を襲ったものと同じ集団がアードルゲを襲う。戦争によって大切な人を失い続けてきたアードルゲ家にある、故人を偲ぶ唯一の絵を燃やさせるわけにはいかないと、カズキは自ら囮となって屋敷を飛び出した。捕らわれた先で地下室に閉じ込められたカズキは、謎の青年セフェカに出会う。彼はカズキの「いつまでここにいればいいのか?」という質問に「時代が終わるまで」と答えるのだったー。
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十か月後、何の因果か、カズキは再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のないカズキは、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、カズキはこの十年で名が知れ渡った「黒曜」という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだったー。
普通の高校生・春野月子には、ひとつだけ普通じゃないことがある。それは幼なじみ・ルスランが、異世界の王様だということ。行き来できないハズだったレミアム王国に飛ばされた日、ノリと勢いと縁談よけのために、ルスランの王妃バイトを日帰りで始めることに。彼に片想い中の月子は、自分の恋心をこじらせちゃったりするのだが、そんな中、レミアムを揺るがす陰謀が動き出し!?WEB発・日帰り異世界トリップ・ラブ!
反乱軍を迎え討つため、かつての敵の砦ウルタで過ごすカズキ。双子の弟であるユアンからは相変わらず嫌われていたが、兄のユリンから、ユアンの女嫌いの理由と二人の過去を聞く。自分達を売った母親を自分はもう捨てたが、ユアンはずっと母親から受けた傷を抱え続けている。そんなユアンの傷を癒してほしいと願うユリンに、カズキは自分にできることは必ずすると約束する。一方、ウルタ砦に姿を現した反乱軍が用意していた兵器に、皆は見慣れぬせいか怪訝な表情をするばかり。だが、カズキは悲鳴を上げてしまう。それは爆弾、そして大砲だったのだ。
天人の“師匠”は、敵対する人間の王・ルタに殺された。彼女の最期の願いは、愛してしまったルタの幸せ。しかし千年後、人間・アセビに転生した“師匠”が見たのは、神話として語られ孤独に生きるルタだった。互いに恋しても、種族が、世界が、誤解が、邪魔をして“相手を幸せにできない”と空回る想い。共に在ることが叶わないならー変えるべきは世界か。第15回ビーンズ小説大賞優秀賞受賞、魂に刻まれた恋物語。