著者 : 安彦薫
かつて世界に蔓延った龍。彼らはやがて滅び、人の時代が来た。人は龍の骸を巨大な鎧とし、戦争をした。龍骸甲…ドラグレイスギアとも呼ばれ、幾千の兵にも勝るその兵器を「鎧う」ことは、騎士の誉れであった。-だが、人々は知らなかった。龍たちは骸と化してなお、恐るべき野望を抱いていたのだ。突如として現れた謎の黒い龍と、人の王の崩御。世界はかつてない混乱の渦中に堕ちる。龍の“声”を感じる力を持った若き騎士・リセル。龍の獰猛な意志が、人の権力者たちの闘争が、平穏だった彼の日々を今、食らい尽くそうとしていたー。龍と人の陰謀うごめく、王道ファンタジー戦記、登場!
麒麟と名乗る謎の侍から、この世の悪を懲らしめる『四神』の役割を与えられた若者四人。順調に江戸の町に潜む悪を倒していく一方で、その四神が一人、玄武こと亀は悩んでいた。自身を蝕む『悪人を生かしてはおけない』という観念ー。彼の心は暴走し、ついには一度懲らしめた者を殺すまでに至ってしまっていた。己のその性を嫌悪し、苦しむ亀は、ある日“梅屋のご隠居”を名乗る老人に出会う。彼と釣り友達となる亀だが、それは亀自身をーそして四神の仲間全員を巻き込む重大な事件の発端となり…?
不仲だった父から遺産として相続したマンションを意気揚々と訪ねてきた鉄郎。だが、そこには先客がいた。謎のおっさん。寝るときは寝袋。分厚い時刻表標準装備。そしてどんな会話でも、出てくるのは大量の鉄道トーク。こんな変なおっさんに遺産をとられてたまるか!と怒り心頭の鉄郎は、なぜかおっさんと二人で、北海道まで旅をするはめに!?そしてドタバタ珍道中の末に二人が知る驚愕の事実とはー。凸凹コンビが繰り広げる痛快ロード・コメディ。
ついに王都を取り戻すための決戦が始まった。しかし王城を包囲する「偽りの王子」イアン率いるリュクサリア軍と、籠城策に出たオルガンド軍との戦いは長期化の様相を呈しはじめ、次第にリュクサリアに疲弊と惰性を生み始めていた。状況を打開すべく、近衛副長官ヴィクトは予め準備しておいた『秘策』を実行に移すのだがー。そして、その戦の最中、ふとしたことからついにイアンはその正体をある人物に知られてしまう…!『双竜戦役』を追う物語、佳境の第3弾。
王族の中でも選ばれた者にしか動かせない機巧鎧エリュシオンに乗り、リュクサリア軍の旗印となった戦闘奴隷の少年、イアン。王都奪還に向けた進軍の中、思わぬアクシデントにより、妹姫フランシスカとともに本隊からはぐれてしまう。2人きりで一夜を過ごし、彼女の胸中を知ったイアンは「偽りの王子」という立場を貫く覚悟を決めるのだが…!?一方、守勢に立たされた敵国オルガンドは、『兄殺し』の異名をもち、国内外を問わず恐れられている第三王子の召致を決定していたー。『双竜戦役』の名を冠した戦いを追う壮大な物語、怒濤の第2幕。
奴隷のイアンは、戦場から逃げる際に、目の前に現れた“リュクサリア王家の正統な血を引く者にしか動かせない”はずの機巧鎧エリュシオンに乗り込み、そのまま操縦することに成功する。その“偶然”が、王を失い首都まで奪われたリュクサリア王国の貴族ヴィクトの目にとまり、イアンの運命は大きく動き始めた。一方、リュクサリア王国の王女フランシスカはイアンを腹違いの兄と信じ込み…。機械じかけの巨大兵士ー機巧鎧が斬り合う戦闘。出生の秘密。決戦機と呼ばれる謎の存在ーすべてを詰め込んで物語の幕が今、開く。