著者 : 安東あや
隠れ家カフェ「秘密の花園」にようこそ。 花の香りと美しい青年に、悩みも孤独も疲れも、 心から癒されます。 <STORY> 慕っていた兄の婚約にショックを受けた高校1年の滝川英美里は、思い悩むあまり道端で気分が悪くなり、同級生の伊庭健に助けられる。兄の店だと連れてこられたのは、住宅街にひっそりある隠れ家のようなガーデンカフェ。その美しい庭に魅せられ、英美里は優しく微笑んで迎えてくれた美青年の店主咲良に、誰にも言えない悩みを打ち明ける(第1話 キョウチクトウの誘惑)。 美しい庭の花とあふれる香り、甘いお菓子で訪問客を癒す、花カフェをめぐる目にも心にもやさしい物語。 <目次> 第1話 キョウチクトウの誘惑 第2話 ライラックの憂鬱 第3話 レンゲソウの窮地 第4話 花冷えの日 あとがき 装画:香魚子 <著者メッセージ> この物語のテーマは『癒やしと救い』です。 身も心も疲れ切ってクタクターーそんなときに読みたくなる本をイメージして作りました。 私自身がそんなふうに疲弊していた時期に、癒やしを求めて書いたお話です。 なので、自分の好きなものを詰め込みました。 見るだけで気分が華やぐ花々、香りで癒やしをくれるハーブ。 甘くて綺麗なスイーツ。そのときの気分で選ぶ、様々なドリンク。 ほっと一息つける隠れ家カフェ、ほどよい距離感で接してくれる、素敵な店長。 そして、ハラハラドキドキもほしいーー各話に必ず主要人物の『秘密』を。 カフェのイメージは、その名のとおりバーネットの名作『秘密の花園』です。 思いがけず出会った、自分だけの秘密の場所。 外とは隔絶された別世界で、花や木々に囲まれているーー。 実在のカフェではなく、自分の理想をイメージして創作しました。 (あとがきより)
「七日後にきみは死にます」 高1の英明は、死神に突然宣告される。助かる条件は身代わりの少女・塔子を七夕祭りに公園に連れてきて、『命を捧げると言わせる』こと。 絶体絶命の英明は、一縷の望みにすがって同級生の塔子に近づき、彼女の心を七日間で奪おうとする。だが、少しずつ心を開いていく塔子に、英明は強く惹かれていく。 「死にたくない、でも彼女を死なせたくないーー」 死の運命に抗おうとする二人が最後に下す決断とは? 感涙必至の切ない恋物語。
鎌倉の鈴ノ山神社の息子・伊吹は短気で喧嘩っぱやい。 俺は跡継ぎの器ではないと、十年前に神隠しに遭った優秀な弟を待ち続け、頑なに後継を拒んでいる。 後継の儀式が迫り焦る伊吹の前に、弟の行方を知るらしき《神様の跡継ぎ》と名乗る美青年が突如現れる。 「弟の行方を知りたければ、神様修行を手伝え」 という彼に連れ回され、知人を訪ねたり、神社の仕事を手伝う内に伊吹にも変化が生まれ……。 二人の跡継ぎの絆に涙する、 切なくも心温まる物語。
司書の仕事を探す結衣は、豪邸の書庫の求人を見つける。だがその仕事は、あやかしのための図書館の仕事だった。適性があったため採用されるが、結衣は躊躇う。しかし昔出会ったあやかしの少年ナギのことを思い出し、結衣は思い切って働くことを決意する。 さまざまな理由で本を探しに来るあやかしたちのために、オーナーの宗司や番犬の風花とともに、新入り司書として奮闘する結衣。いつかナギと再会することを夢見ながら。 本を通じて繋がるあやかしと人との優しく切ない物語。
美哉は恋人と別れ、仕事も失い、失意のどん底にいた。 痛みを紛らわそうと飲みに行き、酔った帰りに猫と青年をうっかり拾ってしまう。 紆余曲折あって、謎めいた青年、透と賢い白猫アガサとの奇妙な同居生活が始まる。 透とアガサは美哉の日々の悩みやトラブルをただ聞くだけで、まるで安楽椅子探偵のように解決していく。 そして謎だけでなく、心も解きほぐしていく。 次第に透たちとの関係が心地良くなる美哉だったがーー心に染みる日常ミステリ。
鎌倉の老舗不動産、その御曹司とのお見合いを仕組まれた清花。相手の雅秋は美しい青年だったが、彼は幼少より霊が見える体質に悩まされ、世捨て人のような生活を送っていた。 とある事故のため、清花は雅秋と同居する羽目になる。なし崩し的に鎌倉不動産の仕事を手伝うことになった清花だが、それは雅秋の能力を必要とするいわくつき物件の調査だった。歴史ある鎌倉という土地柄のあやかし物件たちーー清花の不思議な夏が始まる。
欲望も希望の飲み込む巨大都市、東京。普通の人間なら近づかないような東新宿の奥まった一角に、陰陽師を名乗る青年がいる。現代だからこそ呪いはあるーー冷たい美貌が語る、都会の闇とは?