著者 : 小島榊
新しい世界を統べる者になったラエスリール。だが穢禍は未だ変質を繰り返し、様々な影響を与えていた。その力を断つべく創造主を封印しようと総力を尽くすラスと闇主。戦いの中、闇主が姿を消し…?
覇権をかけた戦いに敗れ、女皇の座をラエスリールに譲った燦華。緋陵姫と乱華と共に世界を巡ることに。時にいがみ合いながらも次第に打ち解け、一つの調和を生み出していく。世界に腐食をまき散らし、喰らい尽くす存在である穢禍。その欠片が残存する村・イズウェルにしばし滞在することになった三人。イズウェルの穢禍を目の当たりにし、その変化に驚きを禁じ得ない燦華に起こる事件とは?
公爵家の娘ヴィクトリアには秘密があった。父親が公爵ではなく、平民出の英雄と言われるヴィレガー将軍なのだ。ヴィクトリアが幼い頃に遠征へと出た将軍が戻ってきたのは、彼女が17歳になってからだった。憧れ続けた本当の父親に認めてもらいたいヴィクトリアだったが、「娘はいない」と否定されてしまう。失意の中、結婚を強要されそうになったヴィクトリアは、男装して士官学校に入学し!?
ラエスリールの手により、世界は新しい時代の幕を開けた。だがそこは『天明の月』が照らす世界で、月は妖しげな力を持っていた。「またいつの日か、舞い戻る」という言葉を残し、姿を消した闇主は…。
『皇』たる資格をかけたラエスリールと燦華の戦いが、遂に決着。泥闇の檻から解放された燦華にラスは決意の言葉を吐く。魔性と人間が共生する世界を創造するために、自分が『皇』の座に就くことを。死力を尽くす両者。戦いの行方は?ラスの願いは果たして叶うか?そして、戦いの果てのラスを闇主はどう受け止める?世紀を超えるスーパー・ファンタジー『破妖の剣』、堂々ここに完結。
自らの存在は、世界を破滅させるための鍵として創造主に作り出されたものだと知った燦華。世界を統べる者ではないことに絶望し、終戦を決意するが、腐食の泥闇は世界を滅ぼすべく増殖を続け……?
腐肉と瘴気に満ちる広大な穢禍の海。全ての命を飲み込み、葬り去るその流動体の怪物の中に潜んでいた石版。全ての欠片を組み合わせることに成功したラスと燦華。記されている文字を解読すると、そこには驚くべき事実が記されていた。“なぜ創造主がこのわたくしを世界に生み出したのか”その理由を知り、深く自尊心を傷つけられた燦華。逆上の果て制御不能となり、行動は常軌を逸して…。
翡翠村のはずれに、一人で暮らしている藍珠。気持ちをうまく言葉にできない内気な性格だが、動物にはいたく懐かれ、時には意思が通じることも。ある日、見慣れぬ鳥が藍珠の家の屋根にとまったことで、国を守護する「鳳凰君」という名の巫女に選ばれてしまった!強引に連れていかれた都で巫女としての最初の仕事は、「5人の花婿候補から1人を選ぶこと」という驚くべき事実を聞かされて…!?
破妖刀・夢晶結の使い手であるスラヴィエーラは、苛立ちを隠せなかった。紅蓮姫がアーゼンターラに懐いているのに、使い手であるラエスリールは平気な顔でいるからだ。しかも紅蓮姫が惹かれているのは、アーゼンターラではなく、かつてラキスだったときの人間の魂と、幾ばくかの記憶にであった。つまり、ラキスとは意志の疎通ははかれるが、アーゼンターラ自身とはままならないのである。
リメラトーンは苛立っていた。理解に苦しむのは、紅蓮姫を奪還するために組まれた仲間たちが裏切り者に対して同情的なことだった。彼は思う。強大な魔性の手によって命を奪われた両親、そしてまだ救えるかもしれない姉アーゼンターラのことを。ただひとり助かった負い目とともに。だが彼の苛立ちは激怒へ変わった。相手の護り手が妖主であり、半人半妖の破妖剣士であることを知ったのだ。
姉のアーゼンターラを魔性に攫われたリメラトーンは、浮城の捕縛師になった。しかし彼がなりたかったのは、魔性を滅ぼし得る力を有する破妖剣士。破妖剣士になるには、高邁な思想や理想も血を吐くような努力も意味をなさない。選ぶのは破妖刀そのものだからだ。不信感を募らせる彼に城長から命令が下る。「我が浮城の至宝を奪還せよ」-至宝の名は紅蓮姫。最も強力な破妖刀の名前だった。
ガンダル・アルスの中心に浮かぶ浮城の結界近く。破妖剣士ラエスリールの前に、突然凄絶なまでの美貌の青年が出現した。問うまでもなく、上級魔性である妖貴であるのは明らか。謎の青年は、ラスに禍々しいまでに赤い柘榴の実を手渡して、消えた。その話を知った護り手・闇主には、いつになく不審の色が走った。そして更に、柘榴を手にした少女妖貴の桜妃がラスの前に現れた。人気アクション・ファンタジー。
自治都市ユラクが、白い焔につつまれて突然消えた。その原因を究明するため、ラエスリールは破妖の剣「紅蓮姫」を携えて浮城を出立した。押しかけ護り手の闇主はもちろんだが、ザハトという少年も一緒だった。荒野を旅する3人を、陽炎の鏡を通して見る者がいた。白焔の妖主と呼ばれる最高位の魔性。そしてラスたちはその恐るべき罠へと誘いこまれていった…。大人気FT第2弾。