著者 : 小川晴央
やり残した、さよならの宿題やり残した、さよならの宿題
小学生の青斗が住む海沿いの田舎町には、ひとつの伝説があった。それは土岐波神社にお願いすると、神様のトキコさまがやり直したい過去に“時渡り”させてくれるというもの。青斗は、夏の終わりに大好きなこの町を離れてしまう鈴のために、最高の夏休みをプレゼントしようとしていた。そんな二人が遊んでいた神社で出会ったのは、何でも見通す不思議な力を持った一花お姉さんでー。みんなで過ごす、最初で最後の夏休みがやってくる。
君の色に耳をすまして君の色に耳をすまして
芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一に、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があってー。
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