著者 : 尾崎ドミノ
平和祈念式典で起きた事件を解決し、無事正式なパートナーとなった捜査官のテオと兵器の少女・イレブン。事後処理に追われる日々のなか、特別捜査班の下に「人体復元」を謳う怪しげな医療法人の存在が報告される。アマルガムの関与を疑ったテオたちは捜査の末、ターゲットが潜伏すると思われる豪華客船に潜入するが、事態は水面下で大きく動き出してー「あなたの役に立てるのであれば、それ以上のことはないわ」捜査官と兵器の少女が凶悪犯罪に挑むクライム・サスペンス、第2弾!!
自律型魔導兵器アマルガム。大陸戦争を支えた、純然たる兵器。捜査官の青年テオが出会った少女イレブンは、完璧に人の姿を模したアマルガムだった。戦争終結後に逃亡したアマルガムを見つけるため、イレブンはテオのパートナーとして捜査局刑事部の特別捜査チームに所属することに。しかしイレブンは人の姿こそしているが人の心を理解できずテオを戸惑わせる。彼女は猟犬として稚い少女の顔でテオに尋ねる。「-私、あなたの役に立ちましたか」主人と猟犬になった二人は行動を共にし、やがて国を揺るがすテロリストとの戦いに身を投じていく…。第28回電撃小説大賞選考委員奨励賞。
世界が滅びてから、もうずいぶんと経った。ゆっくりと滅びゆくヒトの世界を眺めながら、その吸血鬼は今日も変わらず、旅を続けている。もし、あなたがその姿を目にしたら、立ち寄ってみるといい。荒野にサイドカーで現れる、お気楽に退屈な永遠を生きている「吸血鬼」を。そして彼女が引いている、世界の終わりまできっとそのままの、オールドファッションなコーヒー屋台をー。「一杯、いかがですか?ええ、面倒ごとでなければ、お付き合いいたしましょう」人類が黄昏から夜へと至る時代。不死の少女が語り継ぐ、少し悲しくどこか優しい、ヒトの終わりの物語。
「きょうは、死ぬには向いてない日ですから」人類は衰退し、枯れた大地に細々と生きる時代。吸血鬼・セレンは旅をしながら移動式カフェを営んでいる。黄昏の時代、終わらない旅の中で永遠の少女が出逢う人々は。