著者 : 岡達英茉
白王国の大巫女・雪玲は悪女である。 金遣いは荒く傲慢、人を人とも思わない彼女は、新たに護衛となった男にこう言い放った。 「誓いなさいーーわたくしに忠誠を尽くす犬になると」 九つの国を束ねる巫女姫。その選定の儀のため、雪玲は護衛の志強とともに帝国へと旅立つ。道中も無理難題を押し付ける雪玲だが、その“真の目的”は別にあり……。 偽物の大巫女である自分を殺してほしい。胸に秘めた宿願を果たすため、志強に憎まれようと悪女を演じ続ける雪玲だったが、その行動はことごとく裏目に出てしまい!? ■□■□■□■□■□■□■□■□ 登場人物 雪玲(せつれい) 仙女の生まれ変わりである白王国の大巫女。とある事情から悪女を演じており、志強に殺されることを望む。 志強(しきょう) 雪玲の専属護衛。自分を犬呼ばわりする雪玲に憤りを感じつつも、その裏に隠された真意を読み解こうとしている。 第一章 お前は、わたくしに身を尽くす番犬 第二章 民はわたくしを歓待すべし 第三章 九王国の大巫女達は、蹴落とし合う 第四章 選定の儀をめぐって 第五章 悪女、天意を問う 第六章 わたくしは誰にも飼い慣らされない
後の伝説となる「黒猫金庫番」こと蔡月花(さい げっか)は、左遷先で「捨て猫窓際番」と呼ばれていた。 事の起こりは、妃が発注した国内の名窯(めいよう)の磁器と西加琉(シーガル)王国産の磁器が取り違えられたことだった。 その際、西加琉磁器の方が出来が良く、技術の流出が疑われたのだ。 月花は宦官の路易(るい)と共に、西加琉王国の商館のある海雲州への潜入調査を皇帝に命じられる。 けれどその直前に婚約者の偉光(いこう)と喧嘩別れをしてしまい、海雲州では「皇帝の不興を買って左遷された」という噂が広まり、針のむしろの待遇でーー 黒猫金庫番、最大の危機! 第一章 捨て猫は、地方に左遷される 第二章 皇子の誕生と、妃嬪の死 第三章 皇城から来た金庫番は、歓迎されない 第四章 海雲州への出向は、命がけ 第五章 見合いの結末
後世に語り継がれる伝説の女官吏「黒猫金庫番」こと蔡月花。彼女は今猛烈に困っていた。 後宮費の半減か、戸部尚書の柏偉光との結婚か。 海千山千の後宮妃たちを相手に半減は難しく、仕事が楽しいので結婚はまだしたくない。 さらに追い打ちをかけるように「皇帝が月花を妃にしようとしている」という噂が流れ、妃たちから嫌がらせをされる。 そんな中、若い妃が井戸に落とされる事件が起こる。 月花は容疑者にされ後宮は不穏な空気に包まれるが……。 「一銭を笑うものは、一銭に泣くのよ!」 身に振る火の粉は自分で払う、黒猫金庫番の伝説は、まだはじまったばかり。
大雅国には伝説の女官吏がいる。 通称「黒猫金庫番」。華奢な体に黒い衣を纏い、琥珀に光る瞳で不正を見逃さなかったというーー。 将来そう呼ばれるとはつゆ知らず、蔡月花は見合い話に頭を悩ませていた。 相手は若き天才、戸部尚書の柏偉光。 超のつく貧乏貴族の月花とは釣り合わないし、必死に立て直した家業もやっと軌道に乗り始め、結婚はしたくなかった。 断り切れず迎えた見合いの当日。月花は小銭を追って馬車から飛び降り「私、お金が大好きなんです!!」と本性をさらけだすも「規格外のご令嬢」と偉光に気に入られ……?
突然空から降ってきた剣に貫かれ、異世界で軍神にまつりあげられた明依。将軍を名乗る男に都に連れて行かれ、着いて早々皇子に女性だとバレる。「黙っている代わりに自分を戦の総大将に推せ」と言われた明依はーー。
夜の不忍池から現れたびしょ濡れの男。彼は龍になって空へと消えていった。なぜか兄のスーツケースを持ってーー。翌日真穂が訪れたのは、龍が向かったと思われる資料館。出てきたのは、美貌の学芸員で……!?
超貧乏貴族の娘・セーラは夫(仮)イライアスの元を離れ、義弟アルが王となった敵国へと向かう。けれど、再会したアルに「妃になってほしい」と言われ!? 書き下ろし番外編「王宮の至宝と人質だった私」を収録!
「貴方はこのたび私と結婚しましたから」 「あの、何の話でしょうか」 超貧乏貴族の娘、セーラはツイていなかった。 幼い時を一緒に過ごした大切な義理の弟は美形変人騎士イライアスに連れ去られ、それを追っていった父は帰ってこなかった。 それから十年、セーラの前に突然イライアスが現れる。 脅されて着の身着のまま王都に連れていかれたセーラは、いつの間にか彼と結婚させられていてーー!? ハイスペック騎士団長だろうが、溺愛演技されようが、結婚なんてお断り! 1,500万PV突破のweb超人気作、待望の書籍化!!