著者 : 嵩峰竜二
バルドルを失った神々は反撃を開始し、トール、テュール、ハイムダルの三元帥はアスガルドを後にして外の世界へ討って出た。そして、三元帥不在の情報を得たローザらは、逆にアスガルドへと向かう。だが、この作戦は敵味方双方の眼を欺く、大神オーディンの謀略によるものだった。内通者を焙り出して粛清する一方、ローザを捕らえて“不死”の秘密を解明しようと目論んだのだ。
人類の存続を賭けた戦いが目前に迫っていた。“地球の神々”はトゥーレ軍を尖兵に仕立てて、ドルーガ帝国と教皇庁が築いた防衛網を次々と打ち破る。その間、ソルジャー・クイーンらは“神々”との戦いに必要な三つのもの-“地球への経路”を記した航宙図と“神殺し”と呼ばれる二振りの剣、そしてバルトロマイの反乱を生き延びた超能力者たちを必死で捜し求めていた。
ついに覚醒して“四大の王”の力を手に入れた愛するライブランゼとともに、一点の曇りもない信頼で結ばれた双子の姉ヴァラとともに、奇しき邂逅を果たした叔母シェプリカとともに、アドナは祖国復興を目指す最後の旅にのぼった。それは、〈時代に選ばれし者たち〉と、地上界への顕現をうかがう暗黒女神デュラナとの最終決戦の旅でもあった。《アドナ妖戦記》感動の完結。
生ける屍と化したままのライブランゼを蘇らすために、アドナは“地の涯の妖精の島”をめざして大陸を北へ進んでいた。母の生命と引き換えに魔性の手から奪い返した双子の姉ヴァラが一緒である。アドナが初めて味わう肉親との触れ合いが、逆に敵の攻撃の標的となった。暗黒女神デュラナの使徒の妖術士たちは、ライブランゼを慕う二人の心に嫉妬と憎悪の色を忍ばせ始めたのである。
赤銅色の肉体に毛皮の腰巻きをまとい、槍を手にして文明社会に登場した《野生の狼》ディンゴ。視力を失った黄金色の瞳でアストラル・オーラを感知し、比類なき超能力を発揮するアーサー。ディンゴは海賊ブランと合流し、アーサーは姉のフェイとソルジャー・クイーンの許へと向かう。アスガルドの十二神との戦いの直前、遂に七つの星が揃った。人気シリーズ外伝・完結編。