著者 : 悠井すみれ
呪い子と銀狼の円舞曲呪い子と銀狼の円舞曲
幼い頃に犬神の呪いで声を封じられた令嬢・宵子。家族に見放され、幽閉され生きてきた。 ある日妹に押し付けられ鹿鳴館の夜会へ出席した宵子は、ドイツ貴族の青年・クラウスと出逢う。言葉の壁を越えて惹かれあう二人。 そしてクラウスの計らいで実家から救い出された宵子は、彼の館で初めて幸せな時を過ごした。 一方で帝都での人喰い獣の噂に落ち着かないクラウス。宵子は違和感を覚えながら彼を想い心配する。耳に届いた言葉『薬』とは何を意味するのかーー。 孤独な二人が優しい愛を紡ぐ西洋浪漫物語。 序章 犬神の呪い 一章 鹿鳴館の円舞曲《ワルツ》の調べ 二章 帝都に蠢く黒い影 三章 伝えたい想い 四章 暗闇に差し伸べられた手 五章 幸せな日々は憂いを帯びて 六章 銀狼は月夜に吼える 終章 想いは廻る
あやかし遊郭の居候(1)あやかし遊郭の居候(1)
御一新より時は下った花街で。下働きの千早は突然売られることを知り、行く宛もなく逃げ出した。たどり着いたのは、江戸の御世もかくやと思わせる絢爛な遊郭。戸惑う千早を、綺麗な楼主の朔は迎え入れ、追手はのっぺらぼうが蹴散らす。そこは人の世の外、あやかしの遊郭・月虹楼だった。 あやかしが忘れ去られようという時分、飛び込んできた千早こそ人の世との絆を繋ぐと朔は言う。流されて生きてきた千早だが、恩返しのため月虹楼の手助けをすることに。一方人の世でも、千早を捜し求める者たちがいて……? 目次 一章 逃げ込んだのはあやかしの世界 二章 月虹楼の女たち 三章 月虹楼の馴染みたち 四章 隅田川のほとりにて 五章 雪を溶かす温もりは 六章 千早の秘密 七章 人の願い 神の願い 八章 明治吉原 あやかし道中 終章 神代も聞かず
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