著者 : 成田名璃子
ローカルラジオ局「鎌倉なみおとFM」の最終番組は22時で終了する。だけどなぜか時々、23時から番組が流れる夜があり、それは1985年を生きるDJトッシーによるものでーー。 親友の婚約を素直に祝うことができない「三回転半ジャンプさん」、母親の再婚相手と距離を置いてしまう小学生「ラジコンカー君」……真夜中のラジオが昭和と令和をつなぐ時、悩める4人のリスナーと、そしてきっとあなたに、優しい波音が聞こえてくる。 聴き終えた後、心の声に耳を傾けたくなる不思議なラジオ。 『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』の著者・成田名璃子、新境地! プロローグ 第一章 ぶりっこの憂鬱 第二章 ファミリーゲーム 第三章 人生、波あり 第四章 今、この時。
大作家の住み込み家政婦となった私。それは思いもしない安らかな日々を与えてくれた。けれどその生活は突然終わりを告げる。若い女性が弟子入り志願してきたのだ。 彼女はたちまち先生の心を掴んでしまう。居場所を失ったかのように感じる私には、見合い話が持ち込まれ……。 すれ違う想い。誰にとって何が幸せか。こんがらがる、それぞれの想いの結末は? 心が淀んだときは家事をしよう──それは自分を変える魔法の時間。なにげない毎日が奇跡になる物語、再び。
突然終わった結婚生活。バツイチか──と嘆く余裕もない私。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。 そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。そして整った顔立ちとは裏腹に、ものすごく気難しい人だった。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく。彼と心を通わせて行くうちに、いつしか──。 なにげない毎日が奇跡になる物語──本を閉じた後、爽やかな風を感じてください。
群馬の片田舎にあるスキージャンプクラブに突如運営停止の危機が迫る。存続のためには、今季の大会でメダルを三つ取らなくてはいけないのだが──。 不登校気味で自分が楽しく飛ぶことしか興味がない松前至、センスはあるのだが恋愛で結果が左右される横沢翔子、親友に勝つため、徹底した理論で飛ぼうとする岩倉航一。突然現れた“オリンピックドタキャンコーチ”が弱小クラブの代表として選抜したのは、そんなクセだらけの選手たちだった。 突如メダル奪取を指示された少年と少女たちの葛藤と成長を描く青春グラフィティ!
──この箱からは、人生を変える何かが出てきます。 海沿いの街で将来の進路を悩む真由。海は広がっていてどこにでも繋がっているのに、 自分は一生この街から出られないのか……。 そんな想いを抱える中、見つけたのは不思議な文字が書かれていた箱。 そこから出てきたのは、ガラス作家が作った、海が閉じ込められたペンダントだった。 手作りの一点ものには作り手の想いが込められる。 学生運動時代に手にした青い薔薇のハンカチーフ、太平洋戦争開戦直前、恋い焦がれた女性への最後の贈りもの……。 これは、時代を越えて綴られる、繋がる想いを辿っていく物語。
「不動産屋って、その人の人生の居場所とか、幸せまで探せる仕事なんじゃないですか?」 「不動産屋を見たら、まずは詐欺師だと疑え」 俺はそう断言できる。ウチの社長は平気で客を事故物件とか悪条件の部屋にぶち込もうとする。でも、本当に幸せになれる物件を宛てがうことが俺たちの仕事じゃないのか? お客さんが本当に満足できる物件がほかにもあったかもしれないのに、不動産屋の都合で部屋を押しつけるなんて……。 そんな想いを抱えるものの、自分も身元を偽って面接を受けた研修中の身。就職活動がうまく行かなかったとはいえ、本当にこんな不動産に就職して良いのだろうか? 物件探しにも役立つ、不動産業界の裏を描いた青春物語。
高校を卒業して5年ぶりの同窓会は様々な想いを抱えて参加する者ばかり。泉谷美貴もその一人で、性格が真逆な双子の姉・夕貴に扮装しある人に想いを告げるためにやってきたのだが、事態は思いも寄らぬ方向へーー。
高校行事の「選ばれた者は受験に失敗する」と言われるクラス対抗駅伝、通称“落伝”。今年クジ引きで選ばれたのは、部活でベンチを温めているだけのそれぞれ問題を抱えた5人だった。--そして、彼らの夏が始まる。
昼間はOLにして鍵穴からの観察者、ミス・ブースカ。夜は街角の婚活占い師として人気の、ミス・アンジェリカ。様々な悩みを抱える人々が集うこの街角で、彼女は人を占うことの責任を感じ、ひそかに姿を消したーー。
昼間はOLにして鍵穴からの観察者、ミス・ブースカ。夜は街角の婚活占い師として人気の、ミス・アンジェリカ。様々な悩みを抱える人々が集うこの街角で、分厚いベールから雑踏を覗いていくうちにーー。
元彼に未練たらたらの3K女・咲子は占い師から一週間で出会いがないと一生独身と宣言される。彼女の心の救いは、望遠鏡を覗いて知り合った青年との交流しかなくてーー。