著者 : 早見慎司
世界が滅びてから、もうずいぶんと経った。ゆっくりと滅びゆくヒトの世界を眺めながら、その吸血鬼は今日も変わらず、旅を続けている。もし、あなたがその姿を目にしたら、立ち寄ってみるといい。荒野にサイドカーで現れる、お気楽に退屈な永遠を生きている「吸血鬼」を。そして彼女が引いている、世界の終わりまできっとそのままの、オールドファッションなコーヒー屋台をー。「一杯、いかがですか?ええ、面倒ごとでなければ、お付き合いいたしましょう」人類が黄昏から夜へと至る時代。不死の少女が語り継ぐ、少し悲しくどこか優しい、ヒトの終わりの物語。
「きょうは、死ぬには向いてない日ですから」人類は衰退し、枯れた大地に細々と生きる時代。吸血鬼・セレンは旅をしながら移動式カフェを営んでいる。黄昏の時代、終わらない旅の中で永遠の少女が出逢う人々は。
双子の姉のみがわりとして青蘭国の後宮に入った蓮華。王妃として過ごす日々にも慣れてきた折、蓮華と同じく姉の無念を抱え出仕してきた少女・鷺乃を受け入れることに。しかし、後宮で北の国からの賓客を迎える準備が進められるなか、王母は鷺乃を操り蓮華を陥れようと画策する。そして来賓の到着を待つ前夜、ついに蓮華は最悪の事態へと追い込まれ…少しずつ深まる王との絆は、逆境を覆す鍵になるかー!愛と陰謀が交錯する後宮ファンタジー、緊迫の第二巻!
はるか南の島国、青蘭国。霊媒師として生計を立てる少女・蓮華は生き別れの姉・桜花が国王との間に子を残して亡くなったことを知る。蓮華は忘れ形見の王子を守るため、陰謀渦巻く後宮へ飛び込むことに。みがわりの王妃としてふるまう蓮華に、美貌の国王は冷酷な目を向ける。姉の想い人に半ば失望した蓮華だったが、そこには亡き姉への愛が隠れていることに気づき、蓮華自身も静かに王に惹かれていく…。姉の想いとともに、王母の策略が張り巡らされた後宮を生き抜けー陰謀の後宮ファンタジー!
沖縄の南西外れにある小さな島、嘉例吉島にひっそりと佇む民宿「カリー!」。どこか変わった雰囲気を醸し出すそのお宿では、宿を預かる不思議な女主人・金魚さんが、愛情を込めた美味しい沖縄郷土料理のおもてなしでお客様の心も身体も優しく解きほぐしていくー。人情薫る沖縄料理とやさしい気持ちが、人とあやかしの縁を結ぶー。