著者 : 有間カオル
冴えない大学生・保科優一の住むおんぼろアパートの隣室に、母親と引っ越してきた美しい少女・シャルロット。 「魔法使い見習い」を名乗る彼女は、試験をパスするため、困っている人を助けて“銀色のリボン”を三つ集めなければならないという。なぜか優一はシャルロットの使い魔としてそれを手伝うことにーー。 大きな後悔。忘れられない悲しみ。誰にも言えない誰かのSOSに、そっと気づいて救ってくれる可愛い魔法使い。気づけば涙があふれだす感動の物語が、ここだけで読める書き下ろしを収録して文庫化。
犬や猫は人間の感情を察して寄り添ってくれるが、植物も同じ。植物にも感情や思考がある。そんな植物の力を知り抜いた男、花宮が主人をつとめる植物療法店には、今日も悩める人々がやってくる。 両親の勧めでお見合いをした相手とこのまま結婚していいのか躊躇う女性、継母が産んだ妹を「いなくなればいいのに」と嫌う七歳の少年……。 人生の岐路に立つ人々を、彩り豊かな香りを放つ植物が、正しい道へと導いてくれる。 心を癒やす、不思議な《迷える羊の森》に、ようこそ。
中学校の卒業式を終えた日、ひと気のない海辺で自殺を図った少女・琥珀。 次に意識を取り戻した彼女が目にしたのは、会ったこともない赤毛で身体の大きな男性。「ここは、あの世?」と困惑する琥珀に、子供のように無邪気な笑顔を浮かべた男は、自らを「アルケミスト」(=錬金術師)だと名乗る。 彼から「ホムンクルス」だと紹介された白髪の青年・月読を含めた三人で不思議な共同生活を送ることになった琥珀は、次第に、その頑なな心を溶かしていく……。 『魔法使いのハーブティー』の有間カオルが新たに贈る、美しくも切ない感動の物語。
えっ? 神社が潰れてしまう!? どうすりゃいいんだ、俺は……! 東京の片隅にある小さな神社で、管理人として細々と暮らしている青年・和己。 ある日のこと彼は、神社の所有者である伯父が入院したことを知る。重体だと聞き、急いで見舞いのために入院先の病院を訪れるものの、伯父の養子から「父が亡くなったら、神社を潰して、土地は売るつもり」と冷たく突き放されてしまう。 ショックを受ける和己の頭には、神社に棲みついている化け猫たちや、神社を慕って通ってくれる松川さん、姦しい女子中学生たちのことがよぎるのだったーー。 果たして、神社は潰れてしまうのか……!?
化け猫たちとの同居生活は相変わらずトラブル続き!? 東京の片隅にある小さな神社で、管理人として細々と暮らしている青年・和己。虎、グレイシー、グレイヒーという三匹のフテブテしい“化け猫”たちとの喧嘩が絶えない生活にも、なんとか慣れてきた、ある秋の日のこと、その事件は起こった! 二次元キャラとの挙式を申し込む、真面目そうな青年。いつもひとりで神社に足を運ぶ、寂しげな少年。そして、かつて和己を会社から追い出したヤリ手のパートナー。さまざまな人間たちが和己のもとにやってきては、愉快な騒動を巻き起こしていくーー。 さあ、化け猫たちと一緒に、あなたもホッコリしよう。
会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。しかし、その神社には“化け猫”が暮らしていたーー!? 化け猫たちとの人情味豊かな同居生活を描く物語。
親を亡くし、親戚をたらいまわしにされる不幸な少女、勇希。流れついたのは、横浜に住む伯父の家。しかし伯父から「魔法の修行に励むように」と言われーー!? ハーブティーをめぐる、温かなハッピーストーリー。
アンジェリス迎賓館で働くブライダルプランナー、間宮菫子。彼女のもとに、どこか秘密を抱えたカップルがやってくる。五回も会場を下見する新婦や、まるで他人同士のような二人。菫子は彼らの秘密を解き明かそうとする。新郎新婦に心を開いてもらい、悩みを解決するために。そして幸せな結婚式に導くために。でも一筋縄ではいかなくて…。そして菫子自身にも、ある秘密があった。サムシング・フォーー花嫁に幸せを呼ぶというジンクスになぞらえた、4つの愛と秘密のかたち。
スーパーディレクターになりたいんですー大きな夢を抱いて「ザ・ショッピングTV」に入社したド新人、二十二歳。やる気だけは人一倍だけど、暴走しがちで上司たちは大迷惑。そんな彼が配属されたのは“ザ・ショッピングTVの魔界”と呼ばれるコスメ部門だった。化粧品のことなど何もわからないまま、キツい女上司やオカマ(?)、カリスマエステティシャンたちの間で右往左往。だけどめげない、諦めない。がんばる彼のもとにやって来たのは、小さな恋、そして大きな事件だった。
地味なOL生活を送っていた美咲は、アイドルのようなルックスの若くお洒落な彼氏と付き合っている。ようやく捕まえた愛しい彼のため、借金の連帯保証人にまでなっていた。だがある日、彼に引き合わされのは、ヤクザな男たち。まんまと騙され、美咲は風俗に売り飛ばされることになる。自暴自棄になった彼女は、走ってきた車に思わず身を投げるのだがー。『太陽のあくび』で“メディアワークス文庫賞”を受賞した著者が放つ、死の薫り漂うミステリアス・ストーリー。