著者 : 本葉かのこ
黄桜男爵家は特殊な家で、令嬢ありすも人ならぬものが見える。 そんなありすも結婚し、上流階級の人々を集めたお披露目会で幸せな若妻として一歩を踏み出そうとしていた。 けれど善意から夫に取り憑く女の霊を指摘して、衆人環視の中、夫に突き飛ばされ罵られ、ついには離縁状を叩きつけられる。 そんなありすの元に縁あって助けた空泉伯爵家当主・一臣が足繁く訪れる。柔和で実力と美貌を兼ね備える一臣だが、ありすを保護するあやかしの猫はひどく警戒し…… ばけもの姫の行く末は鬼が出るか蛇が出るか、大正浪漫恋物語。 第一章 幸せな破婚 第二章 アンティーク伯爵の求婚 第三章 鬼祓い 第四章 印刷所の娘
高山花穂、28歳、一人暮らし。趣味、節約料理。職業、派遣社員。派遣の自分に自信が持てず、常に人の顔色を窺いながら相手に合わせて生きてきた。そんななか新しい派遣先で出会ったのは、あえて派遣でいる自由奔放で仕事のできる宝城きわ子と、社会性ゼロだけれど天才的な開発部エースの国枝誠二。自分の生き方を自分で選んでいる二人と触れあううちに、花穂は自分の「好きなもの」が分からなくなっていることに気がついてー「自分の人生の責任をとれるのは、自分だけ」きわ子さんの一喝は、ききます。
「福本福子。福を呼び込みそうな、ええ名前や」-そんな理由で、マル秘部署の神様専用の外商部『七福神ご奉仕部』に配属された福子。初めてのお客様は、福子と馴染み深い神社の祭神である福禄寿様。しかし希望された“灯り”を持参した福子はけんもほろろに扱われ、ケンカになって泣かせてしまう。さらに落ち込む暇もなく、恵比寿神から「夏を涼しく感じる器」の注文が来る。見繕ってお持ちするもダメだしの嵐!三度目の正直に勝負をかけるが…?「お客様は神様です!」神と人との絆が結ぶ、お仕事コメディ!第3回富士見ノベル大賞入選作!