著者 : 朱里
神との邂逅を経て自身の役割と使命を思い出した第十三代聖女マリヴェル。この国の忘却の元凶でありマリヴェルの中に眠る“何か”を執拗に狙う先代聖女エイネの攻撃をしのぎ、神殿を守りぬいた。神官たちの記憶は戻っていないが状況から考えればマリヴェルが聖女であったことは明白であり、神殿は彼女を聖女に掲げてついに動き出すことに。国中に大規模な忘却をもたらした術の解明が進むなか、霊峰の湖にてエイネが仕掛けた呪具が発見される。おまけにエイネに関するとんでもない秘密も明らかになり…神の代弁者として神殿とともに再び走り始めた聖女マリヴェル。だが、絶望もまた加速していく。
ある日突然、人々から忘れ去られた第十三代聖女マリヴェル。聖女選定儀式で問題を起こす彼女は神殿側から目をつけられていた。神官エーレの尽力もあり、なんとか話の機会を得たマリヴェルは互いに情報を共有しながら事態の解明を進めていくが、彼女に残された時間は多くはない。自らの役割を思い出したマリヴェルはとある使命を果たすために突き進むがこの世界を手中に収めようと画策する先代聖女エイネ・ロイアーが大人しくしているはずもなく…。絶望に染まっていく世界で一縷の望みはマリヴェルに託された。
第十三代聖女マリヴェル。聖女に返り咲くための選定へ参加し、試練の度に謎のトラブルに巻き込まれていた彼女だったがその影には故人であるはずの先代聖女エイネ・ロイアーの姿が!?真相を突き止めるべく、先代聖女を崇拝する派閥への接触を試みるマリヴェルは先代の元神官長が由緒ある伯爵家に匿われているという情報を聞きつけた。そこで、秘密裏に王子の力を借りながら神官と共に伯爵家で行われる夜会へ変装して参加することに。しかし、この一件をきっかけに事態は思わぬ方向へ進んでいく。一人の少女に対してあまりにも残酷な世界。しかし、聖女マリヴェルは絶対に歩みを止めない。
“聖女”-それはアデウス国の象徴であり、神の代弁者。歴代随一の治癒と浄化の力をもつ第十三代聖女マリヴェルはある日、目を覚ますと周囲の人間から綺麗さっぱり忘れ去られていた。聖女を騙った冒涜者として神殿から追放されたマリヴェルは全てを失いスラムに流れ着くが、ただ一人聖女を忘れていなかった神官と再会し再び聖女の座を目指して選定の儀式へ参加することに。ところが、マリヴェルに敵意をもつ何者かの影響か、彼女の選定儀式はトラブル続きで…。これは力強くも健気、泥臭くも美しい聖女マリヴェルが、ささやかな幸せを取り戻すために奮闘する物語。