著者 : 東堂燦
「君の命より大切なものなんて、ひとつもなかったよ。君は俺にとっての宝石なのだから」 情念の籠った質物を集める、質屋の主人が唯一守りたいのは、十年前、梔子の香る庭で遊んだ少女だったーー。 十年前、梔子の咲き乱れる洋館が火事になり、果琳は帝都を離れたが、親友・黎の訃報に接し、弔いのため再び帝都に赴く。そこで黎と共に幼馴染で、初恋相手でもある有希也と再会。七つ屋《若月堂》を営む彼は黎の最期を知っていると告げ、黎の遺した質物を譲ると言って果琳を住み込みのお手伝いさんにし、ふたりは様々な事件に巻き込まれていく。金目の物ではなく、暗い情念の籠った質物を扱う有希也が張り巡らす周到な罠とは……? 『十番様の縁結び 神在花嫁綺譚』シリーズの東堂燦が贈る、和風ダークファンタジー。 ■著者 東堂燦(とうどう・さん) 1月21日生まれ。新潟県出身。『薔薇に雨』で、2013年度ノベル大賞佳作受賞。集英社オレンジ文庫に『十番様の縁結び 神在花嫁綺譚』シリーズ、『百番様の花嫁御寮 神在片恋祈譚』、『それは春に散りゆく恋だった』『海月館水葬夜話』『ガーデン・オブ・フェアリーテイル 造園家と緑を枯らす少女』がある。
魔族に強力な力を与えることができる人間“花嫁"。現実世界で居場所を失った少女・小夜は湖城の魔王・ヴィリに思いをよせる。だが、魔王の座を狙う陰謀が動き出し……。小夜はヴィリを救えるのか!?
人里離れて薬師の師と暮らす15歳の少女ルーナエは、時折現れる隻眼の青年イグニスに惹かれていた。ある日、師が失踪し、イグニスを頼りに王都に出たルーナエは、王国の暗部に関わる秘密に巻き込まれ!?
精霊を行使し、不思議な現象を起こす彩霊術。誰もが使えるそれを、ファラは使えなかった。精霊王の加護を受けることが出来ず、精霊の姿を見ることができないから…。それでも努力で学院へと進学したファラを待っていたのは、無情な運命だった。彩霊術を使えない者を、卒業させるわけにはいかない。ところが、同じ学院に在籍する王子のサーリヤが、ファラを指導してくれると言って…?