著者 : 桜河ゆう
死神少女は陰から推しを眺めたい -悪役にTS転生したけど、こっそり原作キャラを観察しに行きます!-1(1)死神少女は陰から推しを眺めたい -悪役にTS転生したけど、こっそり原作キャラを観察しに行きます!-1(1)
現代で命を落とした男は、死神と契約した少女ブルームとして転生した。 ブルームは鬱展開で有名な漫画「Souls light nobly」の登場人物で、死神の力を使い過ぎたことで非業の死を遂げるはずだった。 “死を扱う者はやがて死に魅入られ、最後には自ら死を選ぶーー” 「けれど、一度死んだ俺は知っている。死とは単なる虚無だ」 死を経験したことで、ノーリスクで死神の力を扱えることになったブルームは歓喜に震えた。 「--これなら、存分に推しカプを眺めることができるぞ」 (え、推しカプ……?)という死神の戸惑いもなんのその、チート能力を活用したブルームの推しキャラへのストーキングもとい楽しい観察の日々が始まる!
遥かなる月と僕たち人類のダイアログ遥かなる月と僕たち人類のダイアログ
「私の噂はーー知っているでしょう?」 僕が炭風凌香に話しかけられたのは、高校からの帰り道だった。 彼女が援助交際をしているという、おそらくは、根も葉もない噂。 炭風は僕に、クラスで自分にその真偽を尋ねるよう依頼してきた。 皆の前で否定することで、噂の終息を早めようとしているのだろう。 そう考えた僕が翌日実行に移すと、彼女はなんとその噂を肯定する。 放課後、見知らぬ男性といる炭風の姿を見かけて、僕は後を追った。 そして目にしたのは、立ち尽くす彼女と、倒れている男性の姿。 炭風によれば、彼女は『月』に呪われており。 彼女を好きになった人間は、呪いにより死んでしまうそうでーー!?
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