著者 : 桶乃かもく
十一歳の少年イリアスは他人との会話もままならない極度の人見知り。もちろん友達ゼロ、というより友達不要! ある日彼は思いつく。「あえてとんでもなく恐ろしい存在として振る舞うことで、みんなから避けてくれるのでは?」 そうして彼は漆黒の竜鎧を纏い、迷宮都市で探索者デビュー! 口数が少なく一切が謎に包まれた彼は、気がつけば災厄の化身とまで言われ、いつしか人々は畏怖を込めて『竜骸』と呼ぶように……。 そんなイリアスの迷宮攻略はぼっちでも順調! かと思いきや、次なる階層へ進むには「仲良し二人組」が条件だった! 困り果てるイリアスの前に現れたのは、石像として封印されていた少女アリス。世間知らずでちょっぴりズレた彼女の記憶が戻るまで、イリアスはアリスの面倒を見ることになってしまいーー? これは不器用で人見知りな少年が送る、心温まるギャップファンタジー。 プロローグ おひとりさまおことわり 第一章 バカの安い考え 第二章 アリスの始まり 第三章 迷宮協会の変な人 第四章 礼拝日の出来事 第五章 心配の意味 エピローグ 母でもないのに嫁でもない子に姑的視線を送る
俺、月見里司は高校生で漫画家志望。大人気の漫画誌、週刊コメットの漫画賞で最終選考まで残った経験もあり、今日も今日とて漫画部部室で、デビューを目指してネームを悶々と考える日々……なのだが、異様なまでに打ち切り漫画を愛好している部の後輩の小鳥遊がいつもちょっかいを出してくる。「お前……結局趣味が悪いだけじゃねえか。デスゲームやってる貧乏人を、金持ちが安全圏から見て楽しんでる感覚かよ」「ち、違いますよ! 私が求めてるのは散り際の美しさです! 土俵際の美学です! 敗者の生き様です!」「ただただ人間として面倒くさいな!」漫画同好会部室は、相も変わらず他愛のない会話で溢れている。